2017年10月01日

月刊・企業経営サポート情報 bO85

◆失敗事例は経営者の味方
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2017.10.01

リスク・カウンセラー 細 野 孟 士


 少子高齢化社会が話題になって久しいが、最近では“超高齢化”が中小零細企業の経営者にも、売上低迷や後継者不在による廃業や事業承継、債務超過による倒産など、高齢となった経営者が抱えている問題は深刻です。
 特に売上低迷が続く会社の再生は、厳しい資金繰りから脱却して黒字経営になるよう事業利益の黒字化をさせることができても、借入金に対する金融機関に対する金利支払いや元本弁済を食い止める手法を知らなかったために、会社の資金が社外に流出することを止められず、資金繰りに苦しんでいる律儀な経営者が、最優先に取り組まなければならないのが『リスケジュール』である。
 実行に当たっては、無手勝流ではなく専門家に相談してほしいものです。

1.リスケジュールは素早く実施

 企業の、資金流出の現象は「事業赤字」による場合と「融資返済」による元本と支払利息があります。すでに銀行から融資が受けられない状況になっても、街金融に飛び込んだり支払手形を発行するようなことは絶対にしてはならないのです。
 リスケジュールとは、現在借入をしている金融機関に対する元本返済額をこよなく0円に近づけることなのです。5千万円で売却できる遊休不動産に1億円の担保が設定されている場合、金融機関にリスケジュールの資料を提出して1億円の抵当権を抹消してもらうのです。つまり5千万円の元本を返済すれば借入金残高が5千万円減り、5千万円に対する金利の支払いもなくなるのです。
 また、このときに毎月の元本返済額を容易に返済ができる様な額に引き下げてもらうように、しっかりした計画書を作成し金融機関に提出するのです。
 1億円の担保設定を解除してもらうためには1億円を返済しなければならないものと思っている経営者がいますが、3年以内に平常通りの返済ができる内容が、確かなリスケジュール計画書に沿って経営することでそれが可能となるのです。

2.リスケジュール中に確実に黒字転換させること

 企業の、資金流出の現象は 銀行にリスケジュール交渉を行うことにより、毎月の返済金額をこよなく0円に近づけ、融資返済による資金流出を食い止める。
 次にリスケジュール中に実施することは、事業収支を赤字から黒字に転換し、返済や支払利息となって資金流出することを食い止めなければならないのです。リスケジュールを行って、ホッと一息ついてボ〜っとしていると返済開始時期はすぐに到来して、再び資金繰りに追われる経営に逆戻りになります。
 ◆「リスケジュール」は、「事業改善計画書」と一体のものでなくてはならない。
 ◆「リスケジュール」で、資金繰りが楽になったからといって、会社が再生したわけではない。
   ◆「リスケジュール」は、会社再生に向けて事業改善に取り組む時間を確保したに過ぎない。
 ◆「リスケジュール」は、健全経営の目的ではなく事業再生の入り口にすぎない。

 金融機関との交流が慣れてくると『喉もと過ぎて熱さを忘れる』をやってしまう経営者が多い。所詮、他人資本に頼って経営しているのを忘れてしまう。
 一日でも早く事業を黒字化し、盤石な体制にしておかなくてはならないのです。
《事業再生に必要なもの》
 ・徹底した数値管理の励行。@売上を増やし、A粗利率を高め、B経費を下げること。
 ・そのための人財育成と仕組み作り、外部からの視点による厳しいアドバイス。
《経営者の勘違い》
 ・事業再生の専門家に対する大きな誤解は、リスケジュールができたから経営が安定したという経営者の勘違いである。
   ・事業再生専門家の嗅覚と人脈と俯瞰眼を大いに活用すべきである。







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2017年09月01日

月刊・企業経営サポート情報 bO84

◆後継者をいかに確保するか
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2017.09.01

中小企業診断士 佐々木 文安


 中小企業の事業承継の取り組みで、一番目に取り組まなければならないのが後継者の確保です。後継者の確保については、「そのうちにどうにかなるだろう」と安易に考えている経営者が少なくありません。しかし、これだけは用意周到な準備がなければどうにもなりませんので、早くから確保に取り組むことが重要です。

1.親族内の承継

 親族内承継は、中小企業白書によると、20年以上前は80%以上占めていましたが、最近では40%程度に減少しています。これは、@子供の数が減少した、A子供が別の職業に就いてしまい承継しなかった、Bそもそも承継するのに魅力がなくて承継しなかったなどの理由によるものと報告されています。
 子供への承継は、@早くから経営者として育成ができる、A所有と経営が一致できるなどの大きなメリットがあります。中小企業では、このようなメリットを生かした事業承継が、企業の存続にもっとも相応しいといえます。したがって、現経営者としては、子供から「ぜひ承継させて欲しい」という企業づくりに励むことが必要です。
 しかし、子供がいない場合や、子供がいても様々な理由で事業を継がないという場合には、従業員や外部人材への承継にいち早く切り替えて、事業承継の準備を始めることが大切です。

2.従業員等への承継

 従業員等への承継は、中小企業白書によると、20年以上前は4%程度しかありませんでしたが、この20年間で21%程度に増えました。
 従業員等への承継については、経営の継続性を保ちやすいというメリットがあり、また、有能で真面目な従業員であれば、社内外からも好意的に受け入れられています。
 しかし、所有と経営を一致させる場合、従業員等が多額の株式取得資金を用意しなければならない、借入金に経営者保証をしなければならないという問題などが発生します。このような問題に対しては、後継する従業員の育成を兼ねて早く昇格させるとともに給与も上げて資金の準備をさせる、企業の経営改善に努め現経営者の段階で経営者保証を外しておくなどの対応が必要となります。

3.社外の第三者への承継

 社外の第三者への承継は、中小企業白書によると、20年以上前は3%程度しかありませんでしたが、この20年間で18%程度に増えました。この承継については、広く適任者を外部に求めることができるというメリットがあり、大口取引先や商社などから招いているケースが散見されます。
 しかし、社外の第三者の場合、自分が想像していた経営状況と現実があまりにも違い過ぎやる気をなくすという問題や、従業員となじまないという問題が発生することがあります。このような問題を抑えるためには、第三者をすぐに経営者に据えるのではなく、まず、顧問などの立場で迎えて業務を経験してもらい、その上で経営者にするかどうかを決めるというやり方が賢明のように思われます。
※チーム名が変更となりましたので、本号よりデザインを刷新させていただきます。






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2017年04月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO82

◆著作権による技術的な保護?
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2017.04.01



1.特許出願費用は高いから、著作権で保護を?

 随分前になるが、上場企業への技術の売り込み文書を見る機会があった。売り込み文書は、個人から企業まで様々であるが、個人のほぼ9割以上が、知的所有権(著作権)登録による売り込み文書であった。
さらに、驚くべきことに、個人の売り込み文書の文面が、案件の名称以外、ほぼ同じであった。
これは、民間業者が、『特許出願費用は高いから、著作権で保護を・・』とのうたい文句で、個人を騙して、さらに、売り込み文書の講習会を開催しているからであろう。

2.著作権で技術内容の保護ができるか?

 確かに、特許出願費用は、特許事務所に支払う出願書類の作成代は、20〜30万、さらに、特許庁での審査費用も、15万程度はかかる。
 これを個人が負担する場合を考えると、民間業者の『特許出願費用は高いから、著作権で保護を・・』との知的所有権(著作権)登録商法で、騙されてしまうのも納得がいく。

ここで騙される手順を整理すると
(1)民間業者は、技術内容を記載した文書や図面を作成するように指示をする。そして、
(2)民間業者は、作成された文書や図面を、預かり、文化庁への登録を行う。
(3)これにより、作成された文書や図面が著作権として保護されたかのように誤解させる。

騙されるポイントは…
(1)表現された形を保護する著作権では、技術内容を説明した文書は、言語の著作物として、(技術内容そのものではなく)その文章表現が保護される。同様に、技術内容を説明する際に作成した図面は、図表の著作物として、(技術内容そのものではなく)その図表表現が保護される。
 すなわち、内容は全く関係なく、子供が書いた作文でも、子供がチラシの裏紙に書いた絵でも、何らかの表現の形になっているものは、著作物として保護されるにすぎない。内容が保護されるわけでないので、別の人間が同じ技術内容を別の文書・図面に表わした瞬間に、全くのコピー以外は、侵害だとは言えないことになる。
(2)さらに、著作権は、表現物の完成と同時に自動的に発生するので、文化庁への登録は任意である(むしろ、創作年月日を著作物に明記するなどして、文化庁への登録は通常行わない)。
(3)最後は、著作権は、自動的に発生しているのに、文化庁への登録により発生したように思わせ、手続費用や権利の維持費用を搾取する。

3.残念ながら、いちいち騙されていることを教えてくれない

 知的所有権(著作権)登録による売り込み文書に対して、売り込みを受けた会社側は、いちいち騙されていることを、説明したり、教えてはくれない。

 概ね、『弊社では、外部提案は一切受け付けておりません。』の一言で片づけられて終わりである。
気になることがあれば、早めに、弁理士や行政機関(特許庁や各都道府県の知財総合支援窓口)などに相談することが大切であろう。





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2017年03月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO82

▲個人契約の死亡保険金の課税関係
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2017.03.01



はじめに
  
 日本は世界的に見ても生命保険大国であり、生命保険契約の加入率を見てみると男女とも約80%以上の人が保険金に加入しています。その中でも、大きなウエートを占めているのが、個人が契約している死亡保険金の契約で、その多くが結婚当初に夫を被保険者及び保険契約者(保険料負担者)、妻を保険金受取人とするケースとされています。
 そこで、本稿では、個人契約の死亡保険金の課税関係の留意点について検討することとします。

1.死亡保険金の課税関係

 死亡保険金における課税関係は、被保険者、保険料負担者及び保険金受取人が誰かによって、次のとおりとされます。

(1) 相続税が課税される場合

 被保険者と保険料負担者が同一人物で、保険金受取人が相続人である場合には、その保険金は相続により、相続人以外の者であるときは遺贈により取得したものとみなされ て相続税の課税対象とされます(相法3@一)。

 なお、相続人が相続によって取得したものとみなされる保険金に限り、法定相続人1人当たり500万円を限度として相続税が非課税財産とされます(相法12@五)。ただし、相続を放棄した者及び相続人以外の者が遺贈により受取った生命保険金等には、この非課税枠がありません。そこで、相続に該当するかどうかの意味において保険金受取人が誰であるかが重要な問題となります。

(2) 贈与税が課税される場合

 被保険者、保険料負担者及び保険金受取人がそれぞれ異なる場合には、その保険金は保険金受取人が保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税の課税対象とされます(相法5@,相基通3−16)。

(3) 所得税が課税される場合

 保険料負担者と保険金受取人が同一人物である場合には、保険金受取人自身が負担した保険料の額に対応する部分の金額は、所得税(一時所得)の課税対象とされます(所令183A,所基通34−4)。

2.保険金受取人

(1) 原則
 保険金受取人とは、保険契約者によって指定された者があれば、その指定受取人とされます。また、指定受取人がいないときは、保険約款等の定めるところにより、次に定める者が保険金受取人とされます(相基通3−11,簡易保険法55@二,団体定期普通保 険約款)。
 @ 被相続人の遺族
 A 被相続人の配偶者、子、父母、祖父母、
   兄弟姉妹の順序(団体定期普通保険約款)

2) 例外
 保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得した場合には、保険証券に記載されている保険金受取人の名義変更の手続きがされなかったことにつき、やむを得ない事情があると認められる場合など現実に保険金を取得した者が、その保険金を取得することにつき相当の理由があると認められるときは、その現実に保険金を取得した者を保険金受取人とすることとされています(相基通3−12)。

 したがって、相当の理由がなく、遺産分割協議により保険契約上の保険金受取人以外の者が保険金を受け取った場合には、保険金受取人がまず保険金の支払いを受け、それを実際の受取人に贈与したものと取り扱われますので留意して下さい。

3.保険料負担者

 保険契約では、保険契約者と保険料負担者が同一人物であるケースが一般的だと思われます。
 ただし、支払能力がない専業主婦又は子供を保険契約者としながら、実際はその保険料を父親が負担しているケースも見受けられます。この場合には、受取保険金のうち過去の実際の保険料の負担に対応する課税関係(前述したT(2)(3)参照)が生じます。

 税務上では、保険料負担者が保険事故発生時の保険金課税における重要な事実認定の問題とされますので、保険契約締結時からの保険料負担者の実際の負担事実を証する預金通帳(自動引き落とし明細)などの書類の保管が必要とされます。

おわりに

 相続人が受ける生命保険金の請求権は、被相続人による生前贈与又は遺贈と異なり、保険契約に基づいて被相続人の死亡により発生する権利であり、保険金受取人に発生とともに帰属するものとされます。

 そこで、日本に多数存在する妻のみを保険金受取人として契約されている死亡保険金の契約については、その生活環境の変化及び相続税の納税資金などを考慮し、子供を保険金受取人に加えるなどの見直しを行う必要があるでしょう。
 この場合の保険金受取人の変更手続は、原則として保険契約者の保険会社に対する通知及び保険証券への承認の裏書により行うことができます。なお、保険事故発生前に保険金受取人の変更を行っても課税関係は生じません







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2017年02月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO81

★「健康経営」って、ご存じですか?
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2017.02.01



 最近新聞紙上で大きく取り上げられている大手広告会社の電通事件ですが、皆様の会社(あるいは顧問先)ではどのように取り上げていますか。有能な前途ある新入社員が、自殺して、それが労働災害として認定されたことから、東京労働局が調査に入り、過重労働が原因ではないかと、従業員の働かせ方が大きな問題となってきました。現在時間外労働については、どの会社でも何の問題もないという会社はないと思います。   
 こうした中で『健康経営』ということが言われ始めましたが、健康経営とは一体どんなことを言うのでしょうか。

1.健康経営とはなに?

  健康経営とは、従業員等(従業員・家族・役員を含みます)の健康管理を経営的な視点で考えて、戦略的に実践する経営手法のこととされています。
  従業員等の健康増進や労働衛生等への取り組みに係る支出を「コスト」と考えるのではなく、「人の健康への投資」と前向きにとらえることとされています。結果的には、従業員等が健康で生き生きと長く病気もせずに働くことが、企業の生産性を上げ、企業の持続的な成長に繋がるのではないかとの考え方です。

2.健康経営が注目されることになった背景
 @生産年齢人口の減少による労働力不足
  a.生産年齢人口(15歳〜64歳)は、1995年の8,717万人がピークで、
   2015年には7,708万人となり、2,050年代には推計で5,000万人を
   下回るとされています。
  b.65歳以上の高年齢者の割合が増加していく。
  c.今後は、売り手市場になり、人財確保が困難になる。

 A生活習慣病とメンタルヘルス
  平成25年度(2013年)国民医療費の概況によると、医科診療費29兆円の
  3分の2以上が生活習慣病関連で、働く世代は生活習慣病発症リスクが
  高い集団で、退職後は重症化リスクが上昇するとされています。
  一方、メンタルヘルス不調に関する労災の請求件数と決定件数が
  増加傾向にあります。

 B従業員の高齢化
  労働力人口の平均年齢が、1970年は38.4歳、2015年は45.8歳となり、
  加齢により健康度は低下。
  また、年代による通院率は、30歳代は20.4%、40歳代は27.3%、
  50歳代は41.9%、60歳代は57.7%。
  加齢により通院する者の割合が急速に増加している(プレゼンティーズムの増加)。
    *アブセンティーズムとは、病気で欠勤、休業している状態をいいます。
    *プレゼンティーズムとは、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、
   業務遂行能力や生産性が低下している状態をいいます(具体的には、
   首の不調や肩のこり、腰痛、頭痛、うつ症状、不眠、喘息、関節炎、
   胃腸障害、不安感、花粉症などのアレルギー症状など)。
   このアブセンティーズムによる労働損失より、プレゼンティーズムによる労働損失
  の方が約2倍といいます。企業が売り上げを1%あげるために営業活動や広告費
  を増やすよりも、プレゼンティーズム対策で生産性をたかめる方が利益に貢献
  できるのではないかとの考え方です。

3.具体的にはどうすればいい?できることから始めましょう!

@健康課題の把握の為に、定期健診及び2次検診の受診率を100%を目指す。
 保健指導実施率の向上。
A健康増進対策として、禁煙運動、ラジオ体操の勧め、階段歩きの勧め、
 食生活の改善等。
B過重労働対策として、労働時間の適正把握、休日・時間外労働の削減、
 医師による面接指導等。
Cメンタルヘルス対策として、メンタルヘルス教育特に管理職に対して、休職制度
 及び復職支援の充実ストレスチェッ クの実施及び実施率の向上等。
D感染症対策として、手洗いの励行、インルエンザ予防接種の奨励等

 以上は健康管理のほんの一部ですが、個人としての問題でなく、企業全体として取り組みことによって、企業が活性化し、結果的には企業の生産性が向上するのではないでしょうか。
 特に中小企業に対して 『健康優良企業』になれば、法人や従業員に対しても金利で優遇するという金融機関が出て参りました。  
健康経営の詳しいことは、「健康経営アドバイザー」(初級)の川端まで。






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