2014年01月06日

月刊・企業再生サポート情報 bO46

◆会社分割の登記手続き

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2014.01.01

司法書士・行政書士  星野文仁

 
1.有限会社が絡む会社分割の注意点

 企業再生や会社のグループ再編、M&Aで会社分割を使うケースが増えている。つい最近扱った事例で、注意点を書いてみたい。

 このケースは、企業再生でA株式会社の不動産を、グループ内のB有限会社へ吸収分割によって移転させなければならない事例であった。
 通常、吸収分割の場合には、債権者保護手続きとその前提となる決算公告の掲載等、一定の時間(約3か月程度)を要する。

 しかし、本事例は、有限会社が承継会社であったためさらに若干の時間を要することとなった。
 なぜなら、会社法では、有限会社は会社分割における承継会社になることができず、必ず、株式会社に商号変更(旧商法時代は、有限会社から株式会社に移行することを、「組織変更」と呼んだが、会社法においては『商号変更』という。念のため。)しなければならないからである。

 さらに、有限会社は、決算公告が義務付けられていないが、吸収分割の時点で、株式会社になっていれば、『決算公告』を義務付けられるため決算公告をしなければならない。

文字で書くとわかりにくいので、手順を説明する。

@有限会社から株式会社への商号変更
A株式会社として決算公告
B債権者保護公告
C吸収分割の決議
D吸収分割の効力発生
E吸収分割の登記

という流れになる。

 したがって、はじめにすべきことは、有限会社の「株式会社化」ということである。
 また、決算公告ももちろん株式会社化してから行わなければならない点も要注意である。

2.不動産が絡む会社分割の注意点

 グループ内組織再編の場合には、不動産が移転する会社分割をしたり、M&Aの場合にも不動産を吸収分割させたり、新設分割したりする場合がある。

 この場合には、取得税を特に注意すべきである。なぜなら、法人税法上の適格分割であっても、取得税法上の適格にならなければ、取得税が発生するからである。

 また、登録免許税も組織再編スキーム上の予算として見落とされがちであるので、充分に注意を要する。


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2013年06月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO39

▲自己信託を利用した資産保全

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2013.06.01

司法書士法人H&Mトラスト・代表社員  原 内 直 哉


 弊社では,とある大手証券会社の相続・不動産ソリューションチームと共に個人事業主や中小零細企業の経営者に対し,資産保全のための自己信託を奨励している。


 もっとも多い相談が,「事業の資産と個人の資産(特に不動産)が一体となっているのでそれを分離できないか?そうしないと事業承継も相続(争続)も心配だ。」という相談である。


 東京都心部以外の個人事業主や中小零細企業経営者の大半が,一棟マンションやアパートを所有していることが多い。これは将来の不安から,事業以外の収入で家族が暮らせるようにと考え,経営者が用意した資産である。


 しかし,この思いとは違い,これら資産も経営資源の担保に組み込まれてしまい経営者の思いが実際のところ反映されていない。

 そこで,ローンの返済が進み,すでに担保権が抹消されている不動産や手持ち資金を多少投じれば担保を抹消できる不動産に,「自己信託」を設定し,純粋個人資産を事業とは切り離して倒産隔離機能をもたせて上記経営者の思いを実現している(もちろん,有価証券などにも設定可能)。


 この自己信託を設定している限り,仮に,二代目三代目が事業の後を継いで失敗しても不動産など自己信託した現物資産を残すことができる。


 当然ですが,近い将来の倒産や債権者を害する意思をもって上記のような自己信託を設定することは破産管財人などに否認されてしまうので注意が必要である。

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 「自己信託」では,「遺言に代わる受益者連続自己信託」「共有不動産の管理・承継を円滑にするための自己信託」「親族の生活支援自己信託」などたくさんのオーダーメード自己信託が実現できます。


 自己信託を活用できそうなクライアントがいるならご提案してみてはいかがでしょうか?

以上

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2013年01月22日

月刊・企業再生サポート情報 bO34

◆共有不動産の共有者死亡後の他の共有者相続放棄と
   民法第255条に基づく共有者への持分移転
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2013.01.22
 
司法書士法人H&Mトラスト・代表社員  原 内 直 哉



 税理士の先生方も小職もですが,権利義務関係の単純化や将来の紛争を防止するため不動産はなるべく単有で所有することを勧めていることと思われます。確かに共有は複雑で様々な手続きが煩雑になるので好ましくありません。
  しかし,企業再生や住宅を残したいケースでは,この共有が思わぬところで力を発揮する場合もあるのです。 例えば,相続放棄により諦めていた夫婦または親子など親族間同士での共有不動産の場合です(居住用不動産だけに限られない。収益用でも団体信用生命保険(以下,「団信」という。)に加入していれば残せる場合もある。)。


 この場合に民法の規定によって共有不動産が残せることがあるのです。典型的な事例は次のとおりです。


【典型事例】


・相続開始時に被相続人と相続人が共有している
・担保権設定している債務は団信加入している


 共有者たる主債務者が亡くなれば,団信で不動産のローンが弁済されます(ただし,住宅ローンを借りて1年未満の自殺などの原因だと団信が実行されないローンがあるので注意。)。
 被相続人に他の債務があったとしても,共有者たる相続人が相続放棄すれば,その相続放棄した相続人は最初から相続人でなかったことになり,単純に不動産の共有者という立場との結果になります。


 つまり,共有不動産の共有者のひとりが死亡して相続人がないときとなり,その持分は国庫へ帰属せず民法第255条によって他の共有者へその持分が帰属することになるのです。


 もちろん,利害関係人の請求によって家裁へ「相続財産管理人選任」を請求し,民法958条の相続人捜索の手続等を経る必要があります。これには数十万円から百数十万円ほど費用を要します。


 この費用を要するほど不動産に価値があるかどうかも検討する余地はありますが,首都圏や大都市の不動産であれば総じて価値ありとなることが大半でしょう。


 この条文の使い道は様々あるのではないでしょうか?
 他の事例は,BAC企業再生チームのメンバーにお尋ねください。


民法・(持分の放棄及び共有者の死亡)
第255条  共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。


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2012年04月23日

月刊・企業再生サポート情報 bO25

◆東日本大震災により被害を受けられた
 個人事業主の私的整理に関するガイドラインについて


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2012.04.23
 
司法書士法人H&Mトラスト・代表社員  原 内 直 哉


1.円滑化法による貸し付け条件の変更は個人事業主の事業性ローンも対象に!

 中小企業金融円滑化法が施行して2年半になりますが,平成23年12月末現在累計で166万328件の申し込みがありました。

 その内訳は…

  ◆実 行…151万6,924件,

  ◆謝 絶…4万5,017件

  ◆審査中…4万7,938件,

  ◆取下げ…5万449件

 (金融庁公表:中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況について(平成24年3月30日発表分)


 当初,1年か2年で切れる時限立法と見られていましたが,本年度も延長され半恒久的な法律として定着したように思います。


 しかし,この法律は民主党政権下において始まった時限立法で,政権が交代した場合にその形を変える可能性は多分にあります。

 上記,取下げの中には,支払いの目途がたって取り下げた事案もあるとの報告がありますが,実行されている件数に対し少数です。依然厳しい経済環境下にあるのには変わりありません。


 法人企業再生とは少し視点が外れますが,案外知られていない「東日本大震災により被害を受けた個人債務者の私的整理に関するガイドライン」について触れておきます。実はこの制度は,対象となり得る債務者であれば,個人事業主の事業性ローンもその対象になります。


2.制度のメリットは3点


この制度のメリットは大きく次の3点です。


@ 破産手続き(法的整理)とは異なり個人信用情報の登録などの不利益を回避できます。

A 国の補助によって弁護士費用の出費がありません。

B 自由財産たる現預金の範囲を,法定の99万円を含めて合計500万円を目安として拡張できます。


 なお,拡張する自由財産の運用にあたっては,例外的な事情がない限り500万円を上限とし,また被災状況、生活状況などの個別事情によっては減額もあり得ます。


 また,一定の条件をクリアし金融機関が要請すれば債務の減免も認められる場合もあります。


 顧問先の個人事業主やその関係者で東日本大震災で支払困難になっているお客様がいらしたらこの債務整理方法もご提案してみてはいかがでしょうか。詳しくは金融庁ホームページで確認できます。

以上

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2011年09月16日

月刊・企業再生サポート情報 bO17

★投資の目線で事業継続を判断する

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2011.08.19

司法書士法人H&Wトラスト 代表社員司法書士 原内直哉


【金融機関の融資は会社の事業へ投資している…】


 事業を興して経営することは,所有と経営が一致している中小零細企業の経営者にとっては投資でもあります。

経営が,努力の末や継続した結果で成功した!?と成功体験談を聞いたりします。


 しかし,果たして成功した成功している経営者はそうだったのだろうか?

 努力や継続は具体的な計画があるからこそ成し得たことであって,投資に対するリターンがなければ,金融機関から融資を受け,人を動員して,時間をかけるなどそのようなリスクはとっていないでしょう。



 一般的に事業を興し継続するためには金融機関の融資が必要です。この金融機関の融資は,金融機関にとっては投資であることは忘れてはいけません。

 つまり,融資先の会社の事業へ投資したのであって単に金銭を貸し付けたのではありません。


 そうならば,この金融機関の融資(投資利回り)よりも高い利回りをとれる事業でなければ融資してもらっても利益がないので意味がありません。



【投資利回りとローン定数】


 ところで金融機関の投資利回り(融資)はどのように計算すればいいのだろうか?複雑そうに思えますがそんなに難しくありません。


 私の経営している不動産会社では,不動産投資の際に「ローン定数(K%)(金融機関側からみれば投資利回りで,投資家側から見れば調達コストとなります。)」という数値を用います(不動産投資は,まさしく金融機関と投資家の共同事業であるから)。


 このローン定数の計算方法は、「ローン定数(K%)=年間の負債支払額÷ローン総額」で算出します。


 文字通りローン定数ですから,金利や融資期間で定まる数値であって,金利イコール金融機関の利益ではありません。


 例えば,3,000万円を2%の金利,元利均等払いで期間5年の融資を受けた場合,計算した結果は次のとおりになります。

年間の負債支払額 金630万9,994円(端数切り上げ。

元利均等払いなので年間の返済額は同じである。) ÷ ローン総額 金3,000万円 = ローン定数(K%)21.03%

となります。


 つまり,ローン定数(K%)が21.03%あるので,それを超える利回りのとれない事業に対して,金融機関から融資をもらっても投資利益は出ないということになります(資金調達コストが21.03%かかっているわけだから,それ以上の利回りがなければ投資としては儲かっていないということ。)。



 もちろん,事業や投資の利益を出すには理論的な数字だけではなく,事業計画やコストの見直しも必要です。

 融資を得て事業を興したり継続するか否かを考えるとき,ひとつの目安としてこのローン定数(K%)をご利用ください。

以上

【PDF】で印刷できます。



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posted by 支援チーム at 11:40| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…債務整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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