2014年04月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO49

◆企業活性化には、高齢者の活用が大切

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2014.04.01



 少子・高齢化が進む中で、国は事業主に社員を65歳まで雇用する義務を課していますが、「高年齢者雇用安定法」で次の3つの方法で実現するよう求めています。

@定年年齢の引上げ(少なくとも61歳以上への定年の延長制度)
A継続雇用制度(定年年齢は60歳で、本人が定年後も引き続いて雇用を希望すれば雇用を継続する制度) 
B定年の定めの廃止

 なお、Aの継続雇用制度については、会社と労働者の代表者との協定(労使協定)があれば、一定の基準により再雇用を拒否することができていました。それが、平成25年4月1日に施行された『改正高年齢者雇用安定法』により、原則として労働者本人が再雇用の希望を出せば再雇用が義務づけられました。

1.平成25年4月1日施行の改正法の内容

@継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止されました。
A継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲が拡大されました。
B再雇用制度の義務違反企業に対する企業名公表規定が導入されました。

 特に今回の改正では、平成25年4月1日以降60歳の男性の定年者(昭和28年4月2日以降生まれの人)は厚生年金の報酬比例年金の受給権が61歳に引き上げられたことから(以降2年毎に引き上げられて、昭和36年4月2日生まれ以降の男性の年金の受給開始年齢が65歳以上になりました)原則として上記@の労使協定による再雇用基準は廃止され、これからは就業規則の解雇規定に該当するか又は健康を害して労務提供ができない者以外は、本人が再雇用を希望すればば、原則として再雇用を認める制度になりました。

2.再雇用された高年齢者の活用が大事です

 今回の改正で、原則として本人が再雇用を希望すれば最大限65歳まで雇用する義務が事業主に課されましたが、この高年齢者の活用なくして企業の発展は望めないと思います。

 多くの企業は、定年後の職務は現役時代と同じであり、勤務形態もフルタイム勤務とされています。再雇用後の処遇は、定年時の60%前後とする企業が多く、賞与もなく、再雇用後の退職金もないという。

 当然ながら、再雇用者のモチベーションは上がりません。特に問題なのは、このような状況を見ている若手現役社員への影響です。企業が発展していくにはこの高年齢者の活用をしない手はありません。

次で高年齢者の活用を上手にした企業の事例を紹介します。

3.高年齢者の活用を上手にした企業の事例

@再雇用者の賃金は半額にしたが、企業の利益は増大した例

 これはある販売会社の例ですが、再雇用者の賃金は半額にしましたが、売り上げの歩合給は現役時代と同じ率としたところ、再雇用者が賃金の減額を取り戻そうとして販売活動をしたところ、1年後の再雇用者の年間収入は全員現役時代を上回ったという。これを見ていた若手の現役社員も発奮し、相乗効果で2年後の売り上げが倍増したという。

A技術者を年齢に関係なく雇用している例

 時計の販売会社で定年を迎えた社員を再雇用し、その後の仕事は顧客の時計の修理(特に高級時計)を担当させたところ評判となり、顧客が増え、当然売り上げも増大したという。

Bその他高年齢者の活用例

 多くの会社は再雇用後もフルタイム勤務としていますが、この会社は短時間勤務を主とし、勤務時間に工夫をしました。正社員の勤務時間は、午前8時から午後4時40分ですが、再雇用者の勤務時間は午前10時から午後4時40分にしたところ、時間管理もしやすく、再雇用者も気兼ねなく勤められ、モチベーションも上り、現役若手共旨くいっているという。

 ある製造会社の例ですが、再雇用者の勤務日は土曜と日曜日とし、現役若手社員の休日労働をなくしたという。技術レベルが同じなので仕事の連携が旨くでき、会社は経費削減と機械の効率利用と若者の休息が確保でき、健康管理がよくなったという。


 皆様、高年齢者の活用で企業に活力を与えませんか!






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2013年08月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO41

★事業譲渡における労働者の権利と企業の責任

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2013.08.01

特定社会保険労務士  川 端  重 夫

 今回の事例は、営業活動の約半分を占める事業を譲渡する場合の諸手続きについて依頼があったものですが、譲渡価格や株主総会の手続きについては、弁護士・公認会計士の先生が担当し、従業員の移籍の伴う諸手続きについて社会保険労務士として担当した者として感じたことです。
 今回の事例は、社内では極一部の幹部社員のみで、事業譲渡に伴う色々な問題点、譲渡先との調整など極秘の中で行うということなので、打ち合わせや資料の確認などが大変でした。

1.事業譲渡には、従業員の個別同意が必要

 まず、事業譲渡が一部であっても、民法第 625条第1項により、従業員との個別同意が必要と言うことから始まりました。民法第 625条第1項は「使用者は労務者の承諾あるに非ざればその権利を第三者に譲渡することを得ず」となっているからです。
 同意を得なければならないのは少なくとも、退職金の支払額と支払時期、譲渡先での給与額の保障、残存している有給休暇の処置等です。

2.退職金について

 今回の事業譲渡は会社の都合によるものなので、支給率は会社都合となること。その他にどの位の加算金を上乗せするか。リストラではないが加算金を支給することとし、その額について様々な試算をしました。
 問題になったのは、退職金の適用のない契約社員、新入社員、高年齢の再雇用者等の取り扱いです。

 従業員への加算金の範囲内で支給することとしましたが、退職金の規程がないのに支払った場合の税務上の問題を検討し、取締役会で事業譲渡に伴う特別処置として決議して貰いました。
 結果的には、この加算金の額が多くの従業員の同意を得た要素ではないかと思います。
 譲渡価格が決定していない段階での決断でした。

3.給与額について

 給与額についてどのように説明するか。譲渡先の給与規程と当社の給与規程の比較から始まりました。
 業態は似ていても、給与規程は大きく違います。何回かの交渉の中で譲渡先の規程で決めることとし、総額は当面保障するということになりました。
 当社としてはどのくらいの期間保障されるのか、確認をしたかったのですか、当面は保障するということで決着せざるを得ませんでした。従業員も大きな関心をもっていましたが、納得してくれました。

4.有給休暇の扱いについて

 当初は、有給休暇の残はそのまま譲渡先に移管し、勤続年数もそのまま移管したいと申し出ましたが、譲渡先は、転籍後は新規に入社した者として取り扱いたい。従って、当社で解決して欲しいとなり、検討した結果、転籍前の残日数は買い上げるということにしました。問題になったのは、転籍日までに有給休暇の今後の取得予定日数の聞き取り調査が必要となったことです。

 というのは、その金額を退職金に上乗せすることにしたからです。退職金の計算に影響することになりました。退職金の支払時期が転籍後2週間以内との約束があったからです。結果的には間に合いました。

5.予期しない出来事がある

 転籍予定者の中の、産前産後休暇中の従業員、育児休業中の従業員、傷病のため休職中の従業員、契約社員の取り扱いです。
 この従業員の内、産前産後休暇中の従業員、育児休業中の従業員、契約社員については、そのまま引き続いて認めるが、同意をとって欲しい。傷病のため休職中の従業員については、休職期間中は社員として認めるが、休職期間満了時に復職が出来なければその時点で退職して貰うということになりました。
 結果的には、転籍予定者全員の同意書を取り付け、予定者全員が譲渡先会社に移籍しました。

 その他、ここでは書けない事項がたくさんありました。


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2012年07月11日

月刊・企業再生サポート情報 bO28

◆企業再生前に倒産してしまった事例
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2012.07.11
 
特定社会保険労務士  川 端  重 夫


1.企業の概況

 
 A社は電子計算機のソフトウエアーの企画・開発・販売を業とする会社で、従業員数は20人。
 資本金は1億2千万円。直前の売上額は年間2億5千万円。だが経費負担が重く、収支はゼロ。
 A社には社長以下6人の役員がいる。役付きは社長・副社長・専務と後は平取締役となっているが、実質的には超ワンマン社長で、役員といっても名前だけで、何の権限もなかった。


2.倒産前の会社の状況

 ソフトウエアーの企画・開発の会社として色々の試行錯誤はしていたが、ある時点から全く売り上げがなくなり、資金繰りに苦慮していた。社長は取引先や金融機関に約2億円の融資を申し込んでいたが、応じて貰えたのは1社で金額も3千万円のみであり、焼け石に水という感じでした。そんな中で、営業強化としてこの業界に経験があるという男性社員1名を雇用し、営業に力を入れようとしました。その社員が1ヵ月勤務し、給料日になり給料を貰いにいったところ、社長より給料は今日は払えない。少しまってくれと言われ、激怒したところから会社の状況が明るみになりました。


3. 倒産へのみちのり

 激怒した新入社員が労働基準監督署に訴えるという事態になり、労務担当者から社会保険労務士である私に相談がありました。話によると、給料の遅配はすでに3ヵ月前から始まっており、家賃や社会保険料も滞納しているという。この事態に対して社長にどうするのか問い質したところ、今の研究開発が完成すれば金が入ってくる。暫く時間が欲しいということになり、この時点では社長の話を信ずることになった。  
  しかし、事態は急変しました。社長の話は全く根拠のない話であり、日常の資金繰りもままならなくなり、経理担当者がカードローンで個人的に借り入れて対応していることが解りました。この会社には、税理士が顧問としていましたが、この時点まで全く機能していませんでした。


4.従業員を守るために立ち上がりました

 私は単独で社長に面会を求めました。今後の社長の対応を確認しました。しかし、以前と全く同じ話の繰り返しで、進展はみられませんでした。私は、役員全員に集まってもらい、この事態の改善について一人一人に確認しましたが、だれ一人からも改善策は出てきませんでした。私は、会社解散を提案しましたが、社長は同意しません。私は他の役員にも同意を求めましたが無言でした。
 そこで次のような提案をしました。今月末で(あと1週間後)で全社員を解雇する。今日そのことを全社員に発表するようにと。しかし、社長はなかなか同意しませんでしたが、自分からは言えないが、私から全社員に解雇通告をしてくれということになりました。


5.全社員に解雇通告

 今月末をもって全社員を解雇する。但し、給料も支払われない状況なので、解雇予告手当は支払われない。しかし、失業保険は出来るだけ早く手続きをする。今まで遅配されていた給料も『未払賃金立替払制度』を活用して、全額ではないが受け取れるようにすると発表し、これから個別相談に応じます。何なりと申し出て下さいと話しました。私は、社員から抗議されると恐れていましたが、全く逆で、全社員ホッとした様子でした。結果的には、失業保険も最短時間で受けられ、社長以外役員を含めて全従業員が『未払賃金立替払制度』から一定額を受け取ることができました。


6.未払賃金立替払制度とは

 この制度を利用できるのは、労災保険に加入している事業所に雇用されている従業員です。対象となる従業員は破産又は倒産した日の6ヵ月前の日から2年の間に当該会社を退職した従業員です。
 立替払の対象となる未払い賃金は、支払期日が到来している定期賃金(月給)と退職手当で未払いとなっているものです。所得税や社会保険料等の控除する前の金額です。立替払の額は未払賃金総額の80%。立替払いには、年齢別に上限額が決められています。具体的には、45歳以上は 296万円、30歳以上45歳未満は 176万円、30歳未満は88万円。


7.倒産が避けられなかった原因は?

 超ワンマン社長の詐欺的言動に社員全員がだまされた。社長について行けば何とかなると思い、無駄な時間を費やしたこと。今辞めれば給料は貰えないと思っていたこと。顧問税理士さんが会社に何の指導もしなかったこと。役員も社長の言葉に騙されていて、何の対応もしていなかったこと。
 遅配ではあったが給与額が比較的高く、社員の年齢が高齢だったこと。何も問題がないように見える会社も、問題があるということを肝に銘じ
て、会社訪問は月1回は必要ではないかと反省しきりです。

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2012年02月20日

月刊・企業再生サポート情報 bO23

★経営危機のときに企業が取るべき行動

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2012.02.20

特定社会保険労務士 川端重夫


 企業経営に危険信号が出ると、多くの会社は経費の削減策を取ります。特に、交際費の削減、広告宣伝費の削減は最初に行われます。その他の経費も削減しますが、最低限の費用は必要経費ですから自ずから限度があります。そして、最後に人件費の削減に手を付けることになります。


人件費の削減には順序があります

 人件費の削減をするには一定の手順が必要ではないかと思います。全体の人件費削減にはボーナスの減額から、ボーナスの不支給になります。その次に削減するのは何と言っても経営者、つまり役員の報酬の削減ではないでしょうか。役員報酬の削減ではまだ不足という段階で、役職者(管理監督者として位置付けられている課長以上の役職者)の給料カットとなり、その次に従業員の給料カットとなります。


人件費の削減は労働条件の不利益変更となる

 人件費の削減の順序は上記のように進めますが、従業員(管理監督者も含めて)からの給与カットは、労働条件の不利益変更にあたります。労働条件の不利益変更も従業員の同意を得れば可能ではありますが、その従業員の同意は、従業員の自由意思に基づくことは当然でなければなりません。


 賃金減額という不利益変更に対しての過去の判例をみますと、@不利益に変更する必要性、A不利益に変更する理由と不利益の内容について十分に説明したうえで、従業員の同意を得ることが肝要であるとされています。


人員整理は、解雇です

 企業経営の危機に対して、経費の削減や人件費の削減を実施したが、その効果が出ず、経営危機が更に進行し、このままでは倒産の危機に達すると判断したときに、人員整理、いわゆるリストラを行うことを考えますが、その前に出来れば希望退職の募集を行い(退職金などに一定額の加算を行うなど退職に誘導する施策が必要)、それでも予定した人数に達しなかったときに人員整理を考えましょう。この整理解雇は、解雇の原因が従業員になく、会社側にあることに留意して、次の規定は必ず理解して行って下さい。


 それは、労働契約法第16条の規定です。

 『解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とするという規定』です。この権利の濫用とならないため次の『整理解雇の4要件』の検討が必要となります。


人員整理には「整理解雇の4要件」の検討が必要に

 会社が従業員を解雇したり、契約社員を契約期間の途中で解雇するときにもこの4要件の検討が必要です。


@人員削減の必要性があること
 
企業の経営不振が存在し、その解消のためには人員整理が必要との財政状況(赤字状態)があること。

A解雇回避努力を尽くしたこと
 人員整理の必要性があっても、これ以外に何か検討したかが問われます。例えば、出向、配転、希望退職 
の募集等を行ったが、人員整理以外に方法がなかったとの解雇回避努力が求められます。

B被解雇者の人選基準と人選の合理性
 人選の合理性とは、被解雇者の基準が明確であることが求められます。例えば、家族状況、年齢、勤続年 
数等から、年齢なら45歳以上とか50歳以上の者、勤続年数なら勤続30年以上の者、人員整理する人数
等、具体的な基準が必要です。

C組合若しくは被解雇者と十分協議をしたこと
 労働組合があればその組合と、組合がなければ従業員個々人と人員整理の必要性やその理由、被解雇者選
定の基準等や退職金加算条件、再就職支援策等を示して十分に話し合い、同意を得る努力が求められます。


いずれにしても、人員整理は企業の存続を第一にすることを従業員に理解して貰うことが第一です。


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2011年09月19日

月刊・企業再生サポート情報 bO19

◆災害時の企業の対応について

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2011.09.19

特定社会保険労務士 川端重夫


 3月11日の東日本大震災に続いて、今年は雨による災害が全国各地で発生しています。災害対策で企業の担当者は大変だったと思います。3月11日の災害は、大地震と大津波に福島の原発事故が重なり電力事情に大きな影響が出てしまいました。

 また、9月21日に東海・関東を襲った台風第15号は、台風が接近する前から大雨が降り、各地に避難指示・勧告が出されていました。3月の大地震は予報がなく突然の災害となりましたが、9月の台風はある程度予測はできていました。しかし、大きな災害と特に東京都内では、電車が運休して大混乱になりました。


1.3月11日の大地震・大津波・福島原発の事故への対応について

 大地震と津波は3月11日午後2時46分に発生し、東京都内でも大きな被害が発生しました。JRは全面運休し、他の交通機関も大混乱し、帰宅難民が大勢発生しました。今回幸いであったのが、災害発生の翌日が土曜日であり、休日の会社が多かったのでそれ以上の混乱にはなりませんでした。

 しかし、日曜の夜になっていきなり明日から『計画停電』と発表され、多くの会社は対応に苦慮されたことと思います。


(1)計画停電で会社に出社できない社員の取り扱いについて

 3月14日の計画停電の初日については、多くの会社でその取り扱いについて戸惑ったことでしょう。
 
 突然の停電で電車が停まってしまい、出社できなかった。いろいろな経路を使って出社したが大幅に遅刻してしまった。あるいは会社が今日は休業にするから出社しなくてもいいと伝達してきた等、会社の対応はまちまちでした。その後も、停電のある地域、全くなかった地域(特に東京の区部については原則停電はなかった)があり、この休業や遅刻についてどのように取り扱うか、担当者は苦慮したようです。

 
(2)今回の計画停電について、社員が休業したり、遅刻した場合の取り扱いについて厚生労働省は「不可抗力」として「使用者の責めに帰すべき事由に該当しない」として、原則として給料の支払い義務はないと通達しました。


(3)通達された「不可抗力の条件」は次のようになっています。
 
 a.その原因が事業の外部より発生した事故であること。
 
 b.事業主が経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること。


 但し、次の場合は不可抗力とはしないとして、例えば、停電の時間は3時間なのに、その日の業務を全部休業した場合、一日全部の休業の必要はなかったとして、必要とされなかった時間については給料の支払義務はあり、少なくとも法に定める(労基法第26条)平均賃金の60%以上の給料は支払わなければなりません。

 また、計画停電で、電車の運休により出社が困難で欠勤したり、遅刻したりした社員の給料はどうしたら良いのでしょうか。原則は不可抗力として支払わなくとも良いとされていますが、今回の震災では多くの会社はやむを得ないとして、欠勤扱いにしませんでしたが、今後のことを考えると何らかの対策を考えておく必要があります。


2.台風第15号の接近・上陸時の取り扱いも混乱しました
 
 9月21日に東海・関東を襲った台風第15号の進路は、TVで刻々と伝えられていました。結果的には上陸地点は少し違いましたが、特に関東地区についてはほぼ予測どおりの時間で通過していきました。今回の台風で朝から休業をするには戸惑いがありましたが、社員を何時頃帰すかについては判断する情報はありました。
 
 お昼頃に帰した会社、午後3時頃に帰した会社など会社の対応に違いがありました。結果的には、お昼頃帰した会社が正解のようでした。会社の場所にもよりますが、3時に帰した会社の社員の多くは、電車の運休で大きな混乱に巻き込まれました。3月の震災時と同じように、帰宅難民となりました。


3.会社には、働く社員の安全を配慮する義務があります

 震災のような突然の災害発生、台風のようにある程度、進路や時間の予測ができる場合など、災害の発生時間には様々な状況があります。会社の始業時刻前、通勤途中、終業後の残業時間帯に発生するなど、その時間帯によって対策も考えておく必要があります。
 
 無理して出勤させて事故に遭遇したら大変です。色々と対策がある中で、有給休暇の活用(半日単位の取得、時間単位の取得、失効年休積立制度の取得等)を考えてみましょう。更に、正社員の取り扱い、時間給契約社員の取り扱い等きめ細かい対策も必要となります。


大事な会社の財産である人財を失わないために!


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