2017年03月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO82

▲個人契約の死亡保険金の課税関係
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2017.03.01



はじめに
  
 日本は世界的に見ても生命保険大国であり、生命保険契約の加入率を見てみると男女とも約80%以上の人が保険金に加入しています。その中でも、大きなウエートを占めているのが、個人が契約している死亡保険金の契約で、その多くが結婚当初に夫を被保険者及び保険契約者(保険料負担者)、妻を保険金受取人とするケースとされています。
 そこで、本稿では、個人契約の死亡保険金の課税関係の留意点について検討することとします。

1.死亡保険金の課税関係

 死亡保険金における課税関係は、被保険者、保険料負担者及び保険金受取人が誰かによって、次のとおりとされます。

(1) 相続税が課税される場合

 被保険者と保険料負担者が同一人物で、保険金受取人が相続人である場合には、その保険金は相続により、相続人以外の者であるときは遺贈により取得したものとみなされ て相続税の課税対象とされます(相法3@一)。

 なお、相続人が相続によって取得したものとみなされる保険金に限り、法定相続人1人当たり500万円を限度として相続税が非課税財産とされます(相法12@五)。ただし、相続を放棄した者及び相続人以外の者が遺贈により受取った生命保険金等には、この非課税枠がありません。そこで、相続に該当するかどうかの意味において保険金受取人が誰であるかが重要な問題となります。

(2) 贈与税が課税される場合

 被保険者、保険料負担者及び保険金受取人がそれぞれ異なる場合には、その保険金は保険金受取人が保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税の課税対象とされます(相法5@,相基通3−16)。

(3) 所得税が課税される場合

 保険料負担者と保険金受取人が同一人物である場合には、保険金受取人自身が負担した保険料の額に対応する部分の金額は、所得税(一時所得)の課税対象とされます(所令183A,所基通34−4)。

2.保険金受取人

(1) 原則
 保険金受取人とは、保険契約者によって指定された者があれば、その指定受取人とされます。また、指定受取人がいないときは、保険約款等の定めるところにより、次に定める者が保険金受取人とされます(相基通3−11,簡易保険法55@二,団体定期普通保 険約款)。
 @ 被相続人の遺族
 A 被相続人の配偶者、子、父母、祖父母、
   兄弟姉妹の順序(団体定期普通保険約款)

2) 例外
 保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得した場合には、保険証券に記載されている保険金受取人の名義変更の手続きがされなかったことにつき、やむを得ない事情があると認められる場合など現実に保険金を取得した者が、その保険金を取得することにつき相当の理由があると認められるときは、その現実に保険金を取得した者を保険金受取人とすることとされています(相基通3−12)。

 したがって、相当の理由がなく、遺産分割協議により保険契約上の保険金受取人以外の者が保険金を受け取った場合には、保険金受取人がまず保険金の支払いを受け、それを実際の受取人に贈与したものと取り扱われますので留意して下さい。

3.保険料負担者

 保険契約では、保険契約者と保険料負担者が同一人物であるケースが一般的だと思われます。
 ただし、支払能力がない専業主婦又は子供を保険契約者としながら、実際はその保険料を父親が負担しているケースも見受けられます。この場合には、受取保険金のうち過去の実際の保険料の負担に対応する課税関係(前述したT(2)(3)参照)が生じます。

 税務上では、保険料負担者が保険事故発生時の保険金課税における重要な事実認定の問題とされますので、保険契約締結時からの保険料負担者の実際の負担事実を証する預金通帳(自動引き落とし明細)などの書類の保管が必要とされます。

おわりに

 相続人が受ける生命保険金の請求権は、被相続人による生前贈与又は遺贈と異なり、保険契約に基づいて被相続人の死亡により発生する権利であり、保険金受取人に発生とともに帰属するものとされます。

 そこで、日本に多数存在する妻のみを保険金受取人として契約されている死亡保険金の契約については、その生活環境の変化及び相続税の納税資金などを考慮し、子供を保険金受取人に加えるなどの見直しを行う必要があるでしょう。
 この場合の保険金受取人の変更手続は、原則として保険契約者の保険会社に対する通知及び保険証券への承認の裏書により行うことができます。なお、保険事故発生前に保険金受取人の変更を行っても課税関係は生じません







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2016年07月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO74

◆贈与税の配偶者控除の添付資料の見直し
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2016.07.01


 はじめに

 贈与税は、相続税の補完税として設けられていますが、配偶者間の贈与については夫の死亡後の妻の生活保障の意図で行われることなどの理由から、婚姻期間が20年以上である配偶者からの居住用不動産などの贈与に限り、贈与税の課税価格から2,000万円を配偶者控除額として控除することができます(相法21の6@)。
 この贈与税の配偶者控除(以下単に「本控除」といいます。)については、夫婦間の財産移転であることから、名義変更していないケースがあることを踏まえて、平成28年度税制改正において贈与の事実を立証するための添付資料の見直しが行われました。
 そこで、本稿では、本控除の改正点と本控除の適用を受ける場合における実務上の留意点について解説します。

T 改正前制度の概要

 その年において贈与によりその者との婚姻期間が20年以上の配偶者から、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合には、その年分の贈与税の課税価格から基礎控除110万円のほかに2,000万円までの金額が控除できます(相法21の5,同法21の6,措法70の2の4)。
 本控除の適用を受ける場合には、贈与税の申告書に、居住用不動産を取得したことを確認するため、次に掲げる書類を添付することとされます(旧相規9)。
 @ 受贈者の戸籍の謄本又は抄本(居住用不動産等の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された
   ものに限ります。)
 A 受贈者の戸籍の附票の写し(同上)
 B 控除の対象となった居住用不動産に関する登記事項証明書

U 平成28年度税制改正

 本控除の適用を受ける場合の添付書類については、上記TBに掲げる登記事項証明書に限るのではなく、居住用不動産を取得したことを証する書類(贈与契約書等)が追加されます(新相規1の5A二,同規9)。
 この改正は、平成28年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用されます(平成28年改正相規附則2@A)。

V 実務上の留意点

1 婚姻期間の判定

 婚姻期間が20年以上であるかどうかは、婚姻の届出(民法 739@)のあった日から贈与の日までの期間により計算されます。そこで、入籍されていない期間は婚姻期間に含まれません(相法21の6@、相令4の6@A)。
 また、婚姻期間に1年未満の端数があるときは、その端数は切り捨てます。例えば、婚姻期間が19年10ヵ月であっても配偶者控除の適用を受けることはできません(相基通21の6−7)。

2 居住用不動産の範囲

 適用対象とされる居住用不動産は、国内にある専ら居住の用に供される土地若しくは借地権(以下「土地等」といいます。)又は家屋に限られます。そこで、受贈配偶者が取得した土地等又は家屋で、専ら居住の用に供している部分と居住の用以外に供している部分とがある場合には、その居住の用に供している部分のみが対象とされます(相基通21の6−2)。

3 重複適用の排除

 本控除は、配偶者から贈与を受けた前年以前のいずれかの年分においてその配偶者から取得した財産に係る贈与について、本控除の適用を受けている者については、その適用を受けることができません(相法21の6@かっこ書)。

4 相続税の3年以内の贈与加算との関係

 相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前3年以内にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得している場合には、その贈与により取得した財産の価額は、その贈与を受けた相続人又は受遺者の相続税の課税価格に加算(いわゆる取得費加算)されます。
 ただし、本控除の適用を受けた受贈財産については、取得費加算の対象から除外されます(相法19@A)。

おわりに

 民法上、贈与とは当事者の一方(贈与者)が、自己の財産を無償にて相手方(受贈者)に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって成立する契約とされます(民法549)。贈与による意思表示の方法には、口頭による贈与契約(いわゆる書面によらない贈与)と贈与時に贈与者と受贈者との相互の意思の合致を明確に贈与契約書等にしておくという書面による贈与とに分類されます。
 このうち、書面による贈与については、贈与契約の成立した時をもって贈与があったものとされます(相基通1の3・1の4共−8(2))。この場合、配偶者間における贈与契約については、その贈与の事実及び成立の日を明確にするためにも公正証書により確定日付の付与(手数料700円)を行うべきでしょう。


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2015年10月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO66

★特定空家等に係る敷地の固定資産税等の特例措置の創設
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 2015.10.01


1.はじめに

 平成26年11月に市街地の空洞化を招く、家屋、工場、店舗などの適切な管理が行われていない空家(以下「空家等」といいます。)の解消を進める目的で「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)、以下単に“空家法”といいます。」が成立しました。
 平成27年2月にその一部が施行され、所有者特定のため市区町村が固定資産税の納税者情報が利用可能とされました。また、平成27年5月26日の全面施行後は、立ち入り調査及び解体勧告などの権限が与えられました。所有者がこれら勧告等に従わなかったり、不明であった場合には行政サイドが解体できる強制執行を行うことが可能とされました。

 そこで、本稿では、空家法の概要を解説するとともに、空家対策としての固定資産税額等の特例措置について解説することとします。

2 空家法

(1)概要
 空家法の主な内容は、次のとおりとされます。  
@ 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にある空家等を「特定空家 等」と定義しました。
A 市町村長が特定空家等の所有者等に対し、必要な措置をとるよう助言・指導、勧告、命令等 を行うことが可能とされました。
B 「市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資する ため、空家として解体を勧告すれば平成28年以降、土地の固定資産税を減額する優遇措置の対 象外とする措置を講ずる」旨が記載されました。

(2)特定空家等の判断目安
 上記(1)@における特定空家等とは、現況にある空家等で周辺に危険や迷惑を及ぼし、市街地の空洞化を招く、空家等とされています。
 なお、具体的な特定空家等の判断目安は、次のとおりとされています。
@ 建物の傾き具合が高さに比して20分の1(例えば高さ3mなら屋根のずれが横に15p)を超 えるもの
A 土台のシロアリ被害が著しいもの
B ゴミの放置や投棄で 多数のネズミやハエが発生し、近隣住民の日常生活に支障があるもの
C 立木が建物を覆うなど茂っていたり、道路にはみ出した枝が通行を妨げるもの
D 多くの窓ガラスが割れているもの 
E トタン屋根・看板などが落ちそう又はベランダが傾いているなどが見てわかるもの

3.空家対策としての固定資産税額等の特例措置

(1) 内容
 上記1(1)の空家法の規定に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地について、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置(本則課税標準額)の対象から除外される特例措置が創設されました(新地法349の3の2)。

区分

住宅用地に係る本則課税標準

改正前
改正後
小規模住宅用地

(200u以上の部分)
固定資産税1/6に減額
減額措置なし


都市計画税
1/3に減額
一般住宅用地
(200u超の部分)(注)
固定資産税1/3に減額
都市計画税2/3に減額
(注意)家屋の床面積の10倍まで


(2) 適用関係
 特定空家等として解体などが勧告されると平成28年以降、土地の固定資産税が減額される優遇措置の対象外とされるなど、空家法の全面施行により危険な空家の解消を目指して執行されます。

4.おわりに

 人口減及び超高齢化の進行により、全国の建物のうち、5戸に1戸は空家と言われています(平成25年度総務省資料)。
 平成28年以降、固定資産税等の特例措置の対象外とされると空家の所有コストが約6倍に増加することとなります。相続後の相続人間で共有状態となっている土地の売却及び危険な空家を改修して地域の交流スペースとして賃貸する等の有効利用を早期に検討すべきでしょう。
                                       以上




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2015年02月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO59

★ベンチャー企業等における青色欠損金等の繰越控除限度額制度等の創設

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2015.02.01


1.制度の概要

 平成27年度税制改正では、赤字が先行しやすいベンチャー企業及び企業再建を行う企業について、雇用やイノベーションを生み出す創業及び円滑な事業再生を促進する観点から、繰越控除限度額100%相当額で7年間の繰越控除が可能とされる新たな欠損金繰越控除制度が創設されます。
 この仕組みによって、ベンチャー企業及び事業再建を行う企業の税負担が7年間軽減されるため、そのキャッシュフローが前向きな投資に回り、ベンチャー企業の成長、発展及び迅速な事業再生が可能とされます。

2.ベンチャー企業

 法人の設立(合併法人にあっては合併法人又は被合併法人のうちその設立が最も早いものの設立等)の日から同日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度については、控除限度額を所得の金額とされます。
 ただし、金融商品取引所に上場された場合等におけるその上場された日等以後に終了する事業年度は対象外とされます。

(注)対象となる法人から、資本金の額等が5億円以上の法人等(大法人)の100%子法人及び100%グループ  内の複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人(以下「グループ子法人等」といいます。)  が除外されます。

3.事業再建を行う企業

 更生手続開始の決定があったこと、再生手続開始の決定があったこと等の事実が生じた法人については、その決定等の日から更生計画認可の決定、再生計画認可の決定等の日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度については、控除限度額を所得の金額とされます。
 ただし、金融商品取引所への再上場等があった場合におけるその再上場された日等以後に終了する事業年度は対象外とされます。

図表 欠損金の繰越控除制度の比較
区     分現 行平成27年度税制改正
平成27年度平成28年度平成29年度
ベンチャー企業繰越控除限度額―――100%100%100%
事業再生の企業繰  越  期  間―――7年7年7年
中小法人等(注)繰越控除限度額100%100%100%100%
繰  越  期  間9年10年10年10年
上記以外の大法人繰越控除限度額80%65%65%50%
繰  越  期  間9年10年10年10年

注)「中小法人等」とは、各事業年度終了の時において資本金の額が1億円以下である普通法人(グループ法人  等を除きます。)その他一定の法人とされます。

4.適用関係

 上記2及び3の改正は、法人の平成27年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用されます。


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2014年05月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO50

★個人版再生税制の創設

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2014.05.01


  平成26年税制改正では、個人の事業再生に係る税制として

  @個人事業者が合理的な再生計画に基づき債務免除を受けた場合、減価償却資産及び繰延資産等の評価損の額に相当する金額が必要経費に算入できる制度(債務処理計画に基づく資産の損失の必要経費算入の特例)
  及び
  A個人がその有する債務につき破産法の免責許可の決定及び再生計画認可の決定等により債務免除を受けた場合、その免除による経済的利益は総収人金額に算人しないことができる制度(免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の特例)が創設(以下「個人版再生税制」といいます。)されました。
  
  本稿では、これら個人版再生税制について解説することとします。

図表−1 個人版再生税制の概要

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1 債務処理計画に基づく資産損失の必要経費算入の特例

(1)制度の概要

  青色申告書を提出する個人が、その個人について策定された債務免除に関する計画で一般に公表された債務処理を行うための手続に関する準則(中小企業再生支援協議会、地域経済活性化支援機構及び東日本大震災事業者再生支援機構等の準則に則り作成された計画)に基づき策定されていることその他の一定の要件を満たすもの(以下「債務処理計画」といいます。)に基づきその有する債務の免除を受けた場合(「免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の特例(所法44の2A)」の規定の適用を受ける場合を除きます。)において、その個人の不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供されている減価償却資産及び繰延資産等(以下「対象資産」といいます。)の価額についてその準則に定められた方法により評定が行われて いるときは、その対象資産の損失の額とされる一定の金額は、その免除を受けた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入することとされます。
  ただし、その必要経費に算入する金額は、この特例を適用しないで計算したその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額が限度とされます(措法28の2の2@,措令18の6)。

(2)適用関係

    上記(1)の改正は、平成26年4月1日以後に債務処理計画に基づき債務の免除を受ける場合について適用されます(平成26年改正法附則58)。

2 免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済的利益の特例

(1)制度の概要

 居住者が、破産法の規定による免責許可の決定又は再生計画認可の決定があった場合その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にその有する債務の免除を受けたときには、その免除により受ける経済的な利益の価額については、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しないこととされます(所法44の2@)。
 なお、この改正の規定は、「債務免除益の特例(所基通36-17)」の規定が税法上に明文化されたものとなります。
 ただし、その経済的な利益の価額のうち、図表一1に掲げる金額の合計額に相当する部分については、この限りとはされません(所法44の2A)。

  図表−1 課税対象となる個人の債務免除益の範囲
====================================
@ その免除を受けた年において、その経済的な利益の価額がないものとしてその債務を生じた業務に係る事業所得等の金額を計算した場合にその事業所得等の金額の計算上生じる損失の金額
A その免除を受けた年において、この特例の適用がないものとして総所得金額等を計算した場合にその総所得金額等から純損失の繰越控除により控除すべきこととなる金額
====================================

(2)適用関係

 上記(1)の改正は、平成26年分以後の所得税にっいて適用し、平成25年分以前の所得税については、なお従前の例によります(平成26年改正法附則2)。
    
3 実務上の留意点

  創設された個人版再生税制を内容を比較すると、「免責許可の決定等により債務免除を受けた場合の経済  的利益の特例」の方が有利となると想定されますが、その適用可能となるケースは、
  @破産法の規定による免責許可の決定があった場合
  A再生計画認可の決定があった場合
 Bその他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にその有する債務の免除を受けた場合
  と限定的に規定されています。そこで、@からB以外の事業再生に該当するケースは、「債務処理計画に  基づく資産損失の必要経費算入の特例」の選択適用を行うこととなるでしょう。

    なお、これら個人版再生税制の重複適用はできませんので留意して下さい。




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