2015年07月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO64

◆特定調停制度について
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2015.8.01



 日弁連では、中小企業金融円滑化法が平成25年3月末日に終了し、中小企業が金融機関から債務弁済猶予等の支援を得られなくなる事態を懸念し、中小企業の事業再生に資するため最高裁判所、経済産業省と協議し、特定調停制度を活用するスキームを策定し、平成25年12月から特定調停スキームの運用が開始されています。
 今後、事業再生のために特定調停スキームを利用するケースが増大することが予測されますので、ご紹介したいと存じます。


1.特定調停の目的について

 特定調停は、平成12年2月17日施行の特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(民事調停法の特例として制定)に基づく調停制度であり、支払い不能に陥るおそれのある債務者又は弁済期にある債務を弁済することが困難である債務者等が負っている金銭債務に係わる利害関係の調整を促進することを目的としております。
 申立人(申立人代理人弁護士)が、税理士・公認会計士・中小企業診断士等の専門家と協力して経営改善計画案を策定し、金融機関である債権者と事前調整を行ったうえ、当該金融機関を相手方として申立をいたします。


2.調停成立の可能性について

 調停とは、申立人と相手方の互譲により双方の妥協点を調整し話し合いにより和解を成立させる制度です。
 金融機関が調停案に同意しない以上、特定調停制度は機能しないのではないかと考える方がいらっしゃると思いますが、多くの金融機関は、計画改善計画案に合理性がある限り裁判所からの調停案を受諾するものと思料します。
 仮に、調停案を拒絶する金融機関が存在した場合、申立人は裁判所に対し、元利金減免、分割弁済等を返済条件内容とする民事調停法第17条決定(調停に代わる決定)を発令するよう求めます。

【民事調停法第17条】
 「裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認める ときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平 に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事 件の解決のために必要な決定をすることができる。」
 金融機関が17条決定に対し告知を受けた日から2週間以内に異議の申立をしない場合、17条決定は裁判上の和解と同一の効力を有することになります。
 なお、金融機関の異議申立が合理性を欠く場合、異議申立は権利濫用に該当し無効とすべきではないかということが議論されております。

3.債権放棄が行われた場合の税務上の取り扱いについて

 日弁連と日税連は、国税庁に対し、債権放棄についての税務上の取扱いについて照会をしたところ、国税庁は平成26年6月27日に下記のとおり回答いたしました。


     1.債権者について
        当該債権放棄の額の全額について損金算入を認める。

     2.債務者について
        債務免除益について青色欠損金の損金算入を認める。
        (期限切れ欠損金の損金算入をも認める。)


 最近「ワンストップサービス」が注目されておりますが、特定調停申立の際添付書類として計画改善計画案の提出が要求されており、そのため税理士・公認会計士・中小企業診断士等の助力が必要なこと、税務処理について税理士の関与が必須なこと等勘案すると、特定調停制度は「ワンスットプサービス」の適例ではないかと思料しております。


以 上





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