2015年05月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO62

★深刻化している中小企業の後継者問題を解決するM&A

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2015.5.01



 今、中小企業で、後継者不足が深刻化しています。歴史も古く業績も悪くないのに跡継ぎがいない中小企業が増えています。
 一つには、少子化で、子供がいない経営者もいます。しかし、近年では、長男がいても家業を継いでくれないと云った経営者の声も、良く聞くようになりました。中小企業の経営者である両親を見て育った子供は、両親の苦労を良く知っており、安定している大手企業のサラリーマンになったり、医師、弁護士、公認会計士といった専門職に携わる人が増えているとも聞きます。
 中小企業庁も中小企業の後継者不足を深刻に受け止め経営承継円滑化法という法律を作り、自社株式の相続について相続税の納税猶予制度や民法の遺留分の特例を設けたりしていますが、期待されていたような成果は上がっていないようです。
 そんな中、今、最も注目を集めている手法がM&Aではないでしょうか。
 この項では、M&Aについてご紹介したいと思います。

1.M&Aとは何か?

 M&Aという言葉を聞いて、どのようなイメージをお持ちになるでしょう? 
 私も15年くらい前までは、M&Aとは、海外のハゲタカファンドが、資金繰りの困った日本の中小企業を、安く買い叩いて経営者や従業員を追い出し、乗っ取りをするというイメージがありました。 
 こういったイメージは、中小企業の経営者も少なからず持っているのが事実ではないでしょうか。 
 しかし、ここ数年のM&Aのイメージというか、実体は、全く違ってきました。 
 中小企業の後継者不足は深刻で、約20年前までは、中小企業の親族内事業承継が約80%以上もあったにも関わらず、近年では、親族内事業承継が40%にも満たない状況になって来ているということです。 
 この理由は、承継すべき事業が、縮小傾向にあり今後の発展が見込めないということもありますが、先ほども述べたとおりたとえ業績が良くても親の世代の苦労を間近に見てきた子供世代が、生活が安定している大手企業のサラリーマンをしていたり、他の専門職(医師、弁護士、公認会計士等)に就いていて、今さら親の事業を承継したくないといった現状が多いようです。 

 日本の全法人の99%以上を占める中小零細企業が、事業承継できずに廃業してしまうと、そこに雇用されている従業員たちが失業してしまいますので、先述したとおり、これに危機感を抱いた経済産業省や中小企業庁は、数年ほど前、事業承継円滑化法を施行して、親族内事業承継を増やそうと様々な、施策を講じていますが、あまり効果は上がっていません。 

 一方、M&Aによって企業を買収する側も、時代の移り変わりが非常に激しい現在では、従来のように長い年月をかけて、会社を一から設立し、人材を育て、経営ノウハウを取得するより、 既存の優良中小企業を買収し、そのブランド力、経営ノウハウ、従業員の技術や資質を一挙に獲得したほうが、圧倒的短期間に収益を生み出すことに気づき始めたのです。 
 従業員の側からしてみても、今まで、経営基盤が脆弱な中小企業から親会社が大手企業に移行することで生活が安定し、福利厚生もよりよくなります。 
 経営者とってみても、自分の会社が廃業することによって、今まで苦楽を共にして来た従業員を、露頭に迷わせなくてすむことになり、M&Aは、今や「乗っ取り」ではなくむしろ「ハッピーリタイア」となっているのです。 

 ある大手のM&Aの仲介会社によると、M&Aに関するセミナーを開催すると、自分の会社を売りたいと思っている中小企業の経営者が一度に千人以上集まるそうです。
 なぜ、M&Aが増えているかというと、一つには、人口の減少が考えられます。私が聞いたM&Aにこんな事例がありました。地方の優良な従業員500名程度の比較的大手の製造業が、東京の従業員10名程度の同業社を、M&Aしたそうです。

 なぜ、M&Aをしたのか担当者が、買い手のオーナーに尋ねたところ、「40年後にうちの会社がある県の人口が、半分以下になると予想されている。人口が半分になれば当然事業を継続することは困難になる。かといって、今から東京に支店を作って一から事業を起こそうとすると金も時間もかかりすぎる。M&Aとは、金で時間を買うことだ。」といったそうです。つまり、買い手にとっても今いる従業員の力を最大限に、発揮してもらって事業拡大に貢献してもらいたいと思ってるのです。

2.多様化するM&Aの手法

 M&Aと言えば、つい最近までは、株式の譲渡が中心で、わずかに事業譲渡がある程度でした。
 しかし、最近のM&Aでは、会社分割を使ったM&Aが急速に増加しています。株式譲渡や事業譲渡より会社分割を使った方が、よい理由ですが、数多くの点で会社分割が優れているからです。具体的には、次のとおりです。

(1)株主の特定が容易であること。これは、どういう意味かと申しますと、M&Aで買収される会社   は、比較的古い会社が多く、会社設立当時発起人が7名必要だった時代の会社が多く、いわいる   名義株の株主が存在し、真の株主の特定が難しいのです。

(2)株主が特定できたとしても、株主が多数いる場合に、全員の株主から株式を100%買い取るのに   時間と労力がかかります。 

(3)事業譲渡の場合には、原則債権者の同意が必要です。

(4)株主の一人が認知症等であると、成年後見の申立等さらに時間がかかり、株式売買について家庭   裁判所の許可が得られる確証がないことなどです。 

 一方、会社分割を使えば、分社型分割で、買収事業を全て対象会社の完全子会社にした後、会社分割と同時にその完全子会社の株式を買い取れば、少なくとも株主は完全に特定され、第三者に株主権を主張される可能性はありません。 

 さらに、会社分割が便利なのは、分割計画書や分割契約書に資産と負債を明記しますので、株式譲渡のように簿外債務(対象会社が他の会社の連帯保証人になっていたり、過去の税務処理が誤っているようなケース)を、承継する可能性を低減することができます。また、免責の登記をすることによりほぼ完全に簿外債務を排除することもできます。 


 「企業再生支援チーム」を、疲弊した企業への「救急救命隊」
として、積極的にご利用いただければ幸いです。



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posted by 支援チーム at 10:00| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…企業再編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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