2012年08月20日

月刊・企業再生サポート情報 bO29

★居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除

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2012.08.20
 
税理士  宮 森 俊 樹



はじめに


 企業再生を行う際には、やむを得ず経営者の所有している居住用財産(土地・建物)を手放さざるを得ない場合が生ずる。

  そこで、本稿では、経営者が所有している居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例制度のうち、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除(措法35)」ついて解説する。


1.適用要件

 個人が、図表−1に掲げる場合に該当する居住用財産を譲渡した場合には、その年分の譲渡所得の金額から特別控除額として3,000万円を控除することができる(措法35)。


【図表−1  居住用財産の譲渡の範囲】

@ 現に居住の用に供している家屋を譲渡した場合

A 現に居住の用に供している家屋とともにするその敷地の用に供されている土地等の譲渡をした場合

B 災害により居住の用に供されていた家屋が滅失した場合のその家屋の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合

C 居住の用に供されなくなった家屋を譲渡した場合

D 居住の用に供されなくなった家屋とともにするその敷地の用に供されている土地等の譲渡をした場合

2.居住用に供している家屋

 図表−1@及びAに掲げる家屋は、個人がその居住の用に供している家屋(その家屋のうちにその居住の用以外の用に供している部分があるときは、その居住の用に供している部分に限る。)とされる(措令20の3A,同令23@)。例えば、店舗兼住宅等を譲渡した場合における居住部分の判定は、居住の用に供されている家屋の床面積の比に応じてて行うこととなる(措通31の3−7,同通35−5)。

 また、その者がその居住の用に供している家屋を二以上有する場合には、これらの家屋のうち、その者が主としてその居住の用に供していると認められる一の家屋に限るものとする(措令20の3A,同令23@)。


3.居住用に供されなくなった家屋

 図表−1BからDに掲げる家屋は、個人の居住の用に供されなくなつた日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合に限る(措法35@かっこ書き)。
そこで、平成24年分の譲渡における「個人の居住の用に供されなくなつた日以後3年を経過する日」とは、「平成21年1月2日から平成24年1月1日」が適用対象期間となる。

 また、この居住の用に供されなくなった家屋については、その居住の用に供されなくなった日以後その家屋をどのような用途に供した場合においても、上記1の特例の適用対象となる居住用家屋に該当することとなる(措通31の3−14,同通35−5)。

4.特殊関係者に対する譲渡の制限

 上記1の特別控除の規定の適用に当たっては、譲渡の相手先が図表−2に掲げる特殊関係者に該当する場合には適用できないこととされている(措法35@かっこ書き,措令23の2@)。

 また、居住用財産の譲渡が、図表−2に掲げる個人の特殊関係者の範囲に掲げる者に対する譲渡に該当するかどうかは、その譲渡をした時において判定する(措通35の2−3)。


【図表−2  特殊関係者の範囲】

@その個人の配偶者及び直系血族

Aその個人の親族(上記@に掲げる者を除く。以下同じ。)でその個人と生計を一にしているもの及びその個人 の親族で上記2に規定する居住の用に供している家屋の譲渡がされた後その個人とその家屋に居住をするもの

Bその個人と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計 を一にしているもの

C上記@〜Bに掲げる者及びその個人の使用人以外の者でその納税者から受ける金銭その他の財産によつて生計 を維持しているもの及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの

Dその個人、その個人の上記@及び上記Aに掲げる親族、その個人の使用人若しくはその使用人の親族でその使 用人と生計を一にしているもの又はその個人に係る上記B〜Cに掲げる者を判定の基礎となる株主等(所法2 @八の二)とした場合に特殊の関係その他これに準ずる関係(所令4A)のあることとなる会社その他の法人

5.重複適用の禁止

 上記1の特別控除の規定は、「前年又は前々年において既に3,000万円特別控除(措法35)」、「特定の居住用財産の買換えの特例(措法36の2)」、「特定の居住用財産の交換の特例(措法36の5)」、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5)」又は「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5の2)」の規定の適用を受けている場合には、適用できない。


6.手続規定


 上記1の特例の適用を受けるためには、居住用財産の譲渡をした日の属する年分の確定申告書第三表の「特例的用条文」の欄に「措法35」と記載するとともに、「譲渡所得計算明細書」及び「居住用財産を譲渡した日から2ヶ月を経過した日後にその譲渡した資産の所在地を所轄する市区町村長から交付を受けた住民票の写し」を添付する必要がある(措法35AB)。

【PDF】で印刷できます。



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posted by 支援チーム at 14:23| Comment(0) | ◆税理士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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