2012年02月20日

月刊・企業再生サポート情報 bO23

★経営危機のときに企業が取るべき行動

企業再生サポート情報-023.JPG
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2012.02.20

特定社会保険労務士 川端重夫


 企業経営に危険信号が出ると、多くの会社は経費の削減策を取ります。特に、交際費の削減、広告宣伝費の削減は最初に行われます。その他の経費も削減しますが、最低限の費用は必要経費ですから自ずから限度があります。そして、最後に人件費の削減に手を付けることになります。


人件費の削減には順序があります

 人件費の削減をするには一定の手順が必要ではないかと思います。全体の人件費削減にはボーナスの減額から、ボーナスの不支給になります。その次に削減するのは何と言っても経営者、つまり役員の報酬の削減ではないでしょうか。役員報酬の削減ではまだ不足という段階で、役職者(管理監督者として位置付けられている課長以上の役職者)の給料カットとなり、その次に従業員の給料カットとなります。


人件費の削減は労働条件の不利益変更となる

 人件費の削減の順序は上記のように進めますが、従業員(管理監督者も含めて)からの給与カットは、労働条件の不利益変更にあたります。労働条件の不利益変更も従業員の同意を得れば可能ではありますが、その従業員の同意は、従業員の自由意思に基づくことは当然でなければなりません。


 賃金減額という不利益変更に対しての過去の判例をみますと、@不利益に変更する必要性、A不利益に変更する理由と不利益の内容について十分に説明したうえで、従業員の同意を得ることが肝要であるとされています。


人員整理は、解雇です

 企業経営の危機に対して、経費の削減や人件費の削減を実施したが、その効果が出ず、経営危機が更に進行し、このままでは倒産の危機に達すると判断したときに、人員整理、いわゆるリストラを行うことを考えますが、その前に出来れば希望退職の募集を行い(退職金などに一定額の加算を行うなど退職に誘導する施策が必要)、それでも予定した人数に達しなかったときに人員整理を考えましょう。この整理解雇は、解雇の原因が従業員になく、会社側にあることに留意して、次の規定は必ず理解して行って下さい。


 それは、労働契約法第16条の規定です。

 『解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とするという規定』です。この権利の濫用とならないため次の『整理解雇の4要件』の検討が必要となります。


人員整理には「整理解雇の4要件」の検討が必要に

 会社が従業員を解雇したり、契約社員を契約期間の途中で解雇するときにもこの4要件の検討が必要です。


@人員削減の必要性があること
 
企業の経営不振が存在し、その解消のためには人員整理が必要との財政状況(赤字状態)があること。

A解雇回避努力を尽くしたこと
 人員整理の必要性があっても、これ以外に何か検討したかが問われます。例えば、出向、配転、希望退職 
の募集等を行ったが、人員整理以外に方法がなかったとの解雇回避努力が求められます。

B被解雇者の人選基準と人選の合理性
 人選の合理性とは、被解雇者の基準が明確であることが求められます。例えば、家族状況、年齢、勤続年 
数等から、年齢なら45歳以上とか50歳以上の者、勤続年数なら勤続30年以上の者、人員整理する人数
等、具体的な基準が必要です。

C組合若しくは被解雇者と十分協議をしたこと
 労働組合があればその組合と、組合がなければ従業員個々人と人員整理の必要性やその理由、被解雇者選
定の基準等や退職金加算条件、再就職支援策等を示して十分に話し合い、同意を得る努力が求められます。


いずれにしても、人員整理は企業の存続を第一にすることを従業員に理解して貰うことが第一です。


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posted by 支援チーム at 19:22| Comment(0) | ◆社会保険労務士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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