2011年09月19日

月刊・企業再生サポート情報 bO19

◆災害時の企業の対応について

企業再生サポート情報-019.JPG
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。


2011.09.19

特定社会保険労務士 川端重夫


 3月11日の東日本大震災に続いて、今年は雨による災害が全国各地で発生しています。災害対策で企業の担当者は大変だったと思います。3月11日の災害は、大地震と大津波に福島の原発事故が重なり電力事情に大きな影響が出てしまいました。

 また、9月21日に東海・関東を襲った台風第15号は、台風が接近する前から大雨が降り、各地に避難指示・勧告が出されていました。3月の大地震は予報がなく突然の災害となりましたが、9月の台風はある程度予測はできていました。しかし、大きな災害と特に東京都内では、電車が運休して大混乱になりました。


1.3月11日の大地震・大津波・福島原発の事故への対応について

 大地震と津波は3月11日午後2時46分に発生し、東京都内でも大きな被害が発生しました。JRは全面運休し、他の交通機関も大混乱し、帰宅難民が大勢発生しました。今回幸いであったのが、災害発生の翌日が土曜日であり、休日の会社が多かったのでそれ以上の混乱にはなりませんでした。

 しかし、日曜の夜になっていきなり明日から『計画停電』と発表され、多くの会社は対応に苦慮されたことと思います。


(1)計画停電で会社に出社できない社員の取り扱いについて

 3月14日の計画停電の初日については、多くの会社でその取り扱いについて戸惑ったことでしょう。
 
 突然の停電で電車が停まってしまい、出社できなかった。いろいろな経路を使って出社したが大幅に遅刻してしまった。あるいは会社が今日は休業にするから出社しなくてもいいと伝達してきた等、会社の対応はまちまちでした。その後も、停電のある地域、全くなかった地域(特に東京の区部については原則停電はなかった)があり、この休業や遅刻についてどのように取り扱うか、担当者は苦慮したようです。

 
(2)今回の計画停電について、社員が休業したり、遅刻した場合の取り扱いについて厚生労働省は「不可抗力」として「使用者の責めに帰すべき事由に該当しない」として、原則として給料の支払い義務はないと通達しました。


(3)通達された「不可抗力の条件」は次のようになっています。
 
 a.その原因が事業の外部より発生した事故であること。
 
 b.事業主が経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること。


 但し、次の場合は不可抗力とはしないとして、例えば、停電の時間は3時間なのに、その日の業務を全部休業した場合、一日全部の休業の必要はなかったとして、必要とされなかった時間については給料の支払義務はあり、少なくとも法に定める(労基法第26条)平均賃金の60%以上の給料は支払わなければなりません。

 また、計画停電で、電車の運休により出社が困難で欠勤したり、遅刻したりした社員の給料はどうしたら良いのでしょうか。原則は不可抗力として支払わなくとも良いとされていますが、今回の震災では多くの会社はやむを得ないとして、欠勤扱いにしませんでしたが、今後のことを考えると何らかの対策を考えておく必要があります。


2.台風第15号の接近・上陸時の取り扱いも混乱しました
 
 9月21日に東海・関東を襲った台風第15号の進路は、TVで刻々と伝えられていました。結果的には上陸地点は少し違いましたが、特に関東地区についてはほぼ予測どおりの時間で通過していきました。今回の台風で朝から休業をするには戸惑いがありましたが、社員を何時頃帰すかについては判断する情報はありました。
 
 お昼頃に帰した会社、午後3時頃に帰した会社など会社の対応に違いがありました。結果的には、お昼頃帰した会社が正解のようでした。会社の場所にもよりますが、3時に帰した会社の社員の多くは、電車の運休で大きな混乱に巻き込まれました。3月の震災時と同じように、帰宅難民となりました。


3.会社には、働く社員の安全を配慮する義務があります

 震災のような突然の災害発生、台風のようにある程度、進路や時間の予測ができる場合など、災害の発生時間には様々な状況があります。会社の始業時刻前、通勤途中、終業後の残業時間帯に発生するなど、その時間帯によって対策も考えておく必要があります。
 
 無理して出勤させて事故に遭遇したら大変です。色々と対策がある中で、有給休暇の活用(半日単位の取得、時間単位の取得、失効年休積立制度の取得等)を考えてみましょう。更に、正社員の取り扱い、時間給契約社員の取り扱い等きめ細かい対策も必要となります。


大事な会社の財産である人財を失わないために!


【PDF】で印刷できます。



◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇



posted by 支援チーム at 12:18| Comment(0) | ◆社会保険労務士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。