2011年07月11日

月刊・企業再生サポート情報 bO16

◆建設業の会社分割と経営事項審査の引継ぎ

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2011.07.11

司法書士・行政書士  星 野 文 仁



 最近、当事務所では、立て続けに2件の経営事項審査の引き継ぎが絡む、建設業の会社分割を行った。

 経営事項審査とは、建設業者が公共事業を行う上で必用な能力を備えているかどうかを客観的に表す指標で、公共事業を行う建設業者では、この評点が低いと死活問題となる。

 一般的に会社分割を行った場合には、この経営事項審査を引き継ぐことができるが、その手続きは煩雑を極め、行っている行政書士事務所は少ない。当事務所でも今まであまり多くの経営事項審査の引き継ぎを行って来なかったので、多いに勉強になった。


1.典型的な事業再生


 一つ目は、典型的な事業再生であり、いわいるグッドとバッドに分けて、バッドの方は、特別清算をするというものであった。

 この会社分割は、建設業を分割によって外に出さなければならなかったため、始めに受け皿会社を設立し、特定の建設業の許可を得たうえで、吸収分割を行った。当該会社は、公共工事を中心とした建設業であったため、経営事項審査の引き継ぎも当事務所で行った。

 しかもこの会社は複数の県に跨って建設業を行っていたため、国土交通大臣の許可を得ていて、建設業のほかにも宅建業、一級建築士事務所の許可を受けているなど複雑な案件であった。また、決算期とずれた時期に分割期日を設定せざるを得なかったため、経営事項審査の引き継ぎは、複雑を極めた。


 しかし、事前に十分当局と打ち合わせておいたおかげで、比較スムーズに経営事項審査の引き継ぎができたと、お客様から喜ばれた。この分割では、その後、不動産の登記もさせて頂いたため、


1.会社分割のスケジュール管理→
2.受け皿会社の設立→
3.国土交通大臣の建設業の許可→
4.吸収分割→経営事項審査の引き継ぎ→
5.宅建業、一級建築士事務所の引き継ぎ→
6.会社分割に伴う不動産の移転、根抵当権の変更など、

大量の案件をワンストップで行うことができ事務所のノウハウ蓄積にも非常に役立った。




2.別事業を行っていた会社同士が合併し、その後、その合併を解消


 二つ目は、事業再生ではなく、もともと別事業を行っていた会社同士が合併し、その後、その合併を解消するために、会社分割を行うという少し珍しいものであった。しかし、この会社分割も建設業を、元の会社から分割により外に出すため、一つ目の例と同様に、受け皿会社に予め建設業の許認可を下ろしておき、吸収分割によって建設業を承継するというスキームであった。また、公共事業を行っていた点では、一つ目の例と同じであったし、分割期日が決算期とずれていた点も一つ目の例と同じであった。


 この分割スキームで難しかったところは、一つ目の例と違って、会社分割後も両方の会社が別々に営業を続け、しかも、宅建業だけは両社とも営業を続けるスキームだったことである。この会社もそもそも別々の県にあった会社同士が合併したため宅建業については国土交通大臣の許可であったが、会社分割後はそれぞれ別々の県の会社になるため国土交通省の許可を県知事に変更しなければならなかった。


 当事務所では、組織再編スキームはこれまで、170件以上の実績があるが、許認可がこのように複雑に絡み合った例は、少なかったので非常に勉強になり、かつ、組織再編の奥の深さを改めて感じさせられた事例であった。

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posted by 支援チーム at 08:39| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…企業再編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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