2010年06月24日

月刊【企業再生サポート情報】bO03

▲「M&A」を行うにあたっての基本的な注意点

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2010.06.24

司法書士  星 野 文 仁



 司法書士・行政書士として様々な組織再編や企業再生(以下、M&Aという)を、お手伝いしてきた経験から、M&Aを行うにあたっての特に注意すべき点を、挙げたいと思う。


1.M&Aのスケジュール管理


 M&Aで、もっとも重要なことは、スケジュール管理である。

 ・いつまでにこのM&Aを終了させなければならないのか?

 ・それは、なぜなのか?
 

 一般的に、企業再生のM&Aを、行う場合には、事業年度の最終日の翌日を、分割期日や合併期日とすることが多い。これには、債権者の都合や許認可の関係等いろいろな要素が絡み合っていることが多い。

 したがって、われわれは、まず、お手伝いを開始する前提として、最終期日を確認する。そして、なぜ、その日が最終期日となったのかまで確認する。

 その上で、場合によっては最終期日の変更をお願いしたり、変更ができない場合には、その期日までに間に合うように法的な手続や許認可関係、債権者間の調整をいつまでに終わらせなければならないのかといったスケジュールを逆算して立てていく。

 ここで少しでもミスがあると、M&Aの諸手続が、最終期日までに終わらず、M&Aが失敗してしまうことがあるから大変重要な作業である。

 逆に、このスケジュール管理がきちっとできていれば、M&Aの手続は成功する確率が非常に高くなる。


2.許認可の有無


 次に注意しなければならないのは、その企業が持っている許認可の有無である。

 A社が建設業と不動産売買業を行っているとしよう。建設業は許認可事業の代表例である。A社の建設技術には、定評があり建設業だけを捉えてみると、まだまだ再生できる可能性があるとしよう。

 一方、不動産売買業は、膨大な含み損を抱えてメインバンクから、早急な処分を求められているとしよう。このような場合には、通常、A社を建設業と不動産売買業に分割し、建設業のみ継続させて、不動産売買業は、不動産の売却をして、負債をある程度返済した後に破産や特別清算をして処理することが考えられる。

 一般的には、M&Aに伴って不動産を移転する場合には、登録免許税等(合併であれば不動産固定資産評価額の1000分の4、会社分割であれば1000分の8。また、場合によっては不動産取得税が課せられる場合もある)の移転コストがかかるため、できるだけ不動産を移転させないほうがよい。

 しかし、許認可事業は、一般的にM&Aによって引き継がれないケースが多いために、多少、金銭的なコストが増加したとしても、あえて許認可事業を元の会社に残し、コストのかかる不動産売買業を外に出すといった方法も考慮せざるを得ない場合も往々にしてある。



3.金銭コスト管理


 いうまでもなく、結果がまったく同じであるなら、できるだけ金銭コストのかからない、M&Aスキームを提案すべきであろう。

 M&Aは、一般的にその規模が大きくなればなるほど、不動産の筆数が多くなり、不動産移転のコストが大きくなる。

 しかし、案外この不動産移転コストを、計算に入れずにM&Aスキームを立てているケースが非常に多い。登録免許税は、租税特別措置法により修正が加えられているため、めまぐるしく変化しているからだ。

 できれば、登録免許税の専門家である、司法書士に不動産移転コストの見積もりを出してもらってから、スキームの検討をすべきであろう

 また、M&Aの不動産には、根抵当権や抵当権といった担保権がついていることが多いので、移転コストだけでなく、これらの担保権の変更登記についてもそのコストについて事前確認をとっておくべきである。

 また、担保権の変更は、とても複雑になることがあるから、金融機関も含めて事前に充分な打ち合わせをしておくべきである。


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posted by 支援チーム at 09:26| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…企業再編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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