★「健康経営」って、ご存じですか?
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2017.02.01
最近新聞紙上で大きく取り上げられている大手広告会社の電通事件ですが、皆様の会社(あるいは顧問先)ではどのように取り上げていますか。有能な前途ある新入社員が、自殺して、それが労働災害として認定されたことから、東京労働局が調査に入り、過重労働が原因ではないかと、従業員の働かせ方が大きな問題となってきました。現在時間外労働については、どの会社でも何の問題もないという会社はないと思います。
こうした中で『健康経営』ということが言われ始めましたが、健康経営とは一体どんなことを言うのでしょうか。
1.健康経営とはなに?
健康経営とは、従業員等(従業員・家族・役員を含みます)の健康管理を経営的な視点で考えて、戦略的に実践する経営手法のこととされています。
従業員等の健康増進や労働衛生等への取り組みに係る支出を「コスト」と考えるのではなく、「人の健康への投資」と前向きにとらえることとされています。結果的には、従業員等が健康で生き生きと長く病気もせずに働くことが、企業の生産性を上げ、企業の持続的な成長に繋がるのではないかとの考え方です。
2.健康経営が注目されることになった背景
@生産年齢人口の減少による労働力不足
a.生産年齢人口(15歳〜64歳)は、1995年の8,717万人がピークで、
2015年には7,708万人となり、2,050年代には推計で5,000万人を
下回るとされています。
b.65歳以上の高年齢者の割合が増加していく。
c.今後は、売り手市場になり、人財確保が困難になる。
A生活習慣病とメンタルヘルス
平成25年度(2013年)国民医療費の概況によると、医科診療費29兆円の
3分の2以上が生活習慣病関連で、働く世代は生活習慣病発症リスクが
高い集団で、退職後は重症化リスクが上昇するとされています。
一方、メンタルヘルス不調に関する労災の請求件数と決定件数が
増加傾向にあります。
B従業員の高齢化
労働力人口の平均年齢が、1970年は38.4歳、2015年は45.8歳となり、
加齢により健康度は低下。
また、年代による通院率は、30歳代は20.4%、40歳代は27.3%、
50歳代は41.9%、60歳代は57.7%。
加齢により通院する者の割合が急速に増加している(プレゼンティーズムの増加)。
*アブセンティーズムとは、病気で欠勤、休業している状態をいいます。
*プレゼンティーズムとは、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、
業務遂行能力や生産性が低下している状態をいいます(具体的には、
首の不調や肩のこり、腰痛、頭痛、うつ症状、不眠、喘息、関節炎、
胃腸障害、不安感、花粉症などのアレルギー症状など)。
このアブセンティーズムによる労働損失より、プレゼンティーズムによる労働損失
の方が約2倍といいます。企業が売り上げを1%あげるために営業活動や広告費
を増やすよりも、プレゼンティーズム対策で生産性をたかめる方が利益に貢献
できるのではないかとの考え方です。
3.具体的にはどうすればいい?できることから始めましょう!
@健康課題の把握の為に、定期健診及び2次検診の受診率を100%を目指す。
保健指導実施率の向上。
A健康増進対策として、禁煙運動、ラジオ体操の勧め、階段歩きの勧め、
食生活の改善等。
B過重労働対策として、労働時間の適正把握、休日・時間外労働の削減、
医師による面接指導等。
Cメンタルヘルス対策として、メンタルヘルス教育特に管理職に対して、休職制度
及び復職支援の充実ストレスチェッ クの実施及び実施率の向上等。
D感染症対策として、手洗いの励行、インルエンザ予防接種の奨励等
以上は健康管理のほんの一部ですが、個人としての問題でなく、企業全体として取り組みことによって、企業が活性化し、結果的には企業の生産性が向上するのではないでしょうか。
特に中小企業に対して 『健康優良企業』になれば、法人や従業員に対しても金利で優遇するという金融機関が出て参りました。
健康経営の詳しいことは、「健康経営アドバイザー」(初級)の川端まで。
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