2011年09月16日

月刊・企業再生サポート情報 bO18

事業譲渡における労働者の地位について


2011.09.19

弁護士  安 達 一 彦
 


 最近、債務超過会社が再生の手段として、第二会社を設立し第二会社に対して事業譲渡をする事例が散見されますが、労働者の地位をめぐりどのような場合にトラブルになるのでしょうか。


1.事業譲渡における労働契約不承継の原則


 事業譲渡は、事業を構成する資産や負債を個別に移転させる契約行為であり、合併は事業を構成する資産や負債を包括的に会社分割は資産や負債の全部又は一部を一般承継させる組織法上の行為です。

 事業譲渡は、契約行為ですので譲受会社にどの事業を承継させるか、どの債務を承継させるかは当事者間の合意により自由に選択することができます。譲受会社が労働契約の承継を義務づけられない原則を、労働契約不承継の原則といいます。



2.事業譲渡後の労働者の地位


 事業譲渡後、譲受会社に労働契約承継の対象とならなかった労働者は、譲渡会社から事業継続が困難であることを理由に整理解雇の対象となるのが通常です。


 不幸にして整理解雇の対象となった従業員は整理解雇は「整理解雇の四要件」に該当せず解雇権の濫用として争いあるいは第二会社に対し雇用の責任を求めることになります。



3.第二会社に対し雇用責任を認めた裁判例


(1)譲渡会社が第二会社に事業譲渡後、従業員をいったん解雇し大半の従業員を採用しながら組合活動に熱心な従業員を採用しなかったので、当該従業員が第二会社に対し雇用関係の確認を求めた事例(大阪地裁 平6.8.5判決)


 この事例では、裁判所は「労働契約の承継に合理的な期待があり、両者には高度の実質的同一性が認められ、法人格の別異性、事業廃止の自由、新規契約締結の自由を全面的に主張して雇用関係を否定することは、労働契約の関係においては、実質的には解雇権法理の適用を回避するための法人格の濫用である。 」として第二会社への雇用を認容しています。


(2)譲渡会社が企業廃止・解散をしたうえ従業員を全員解雇し、第二会社に対し事業譲渡したところ第二会社が従業員を雇用しなかったので雇用関係の確認を求めた事例(奈良地裁 平11.1.11判決)


 この事例では、裁判所は「企業廃止・解散に基づく全員解雇は廃止を仮装したもので解雇は無効であり、譲渡人の事業はこれと実質的一体性を有する譲受会社に承継され、労働契約は譲受会社に承継された。」として第二会社への雇用を認容しています。



結語。


 事業譲渡は契約行為ですので、第二会社には譲渡会社との合意により労働契約を承継しない自由があります。


 しかしながら3項(1)の事例の如き第二会社設立に法人格否認の法理が適用される場合及び3項(2)の事例の如き譲渡会社の偽装解散の場合では例外的に第二会社に対し雇用責任が認められることになります。

posted by 再生チーム at 11:49| Comment(4) | ◆法律家からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

月刊・企業再生サポート情報 bO17

投資の目線で事業継続を判断する
企業再生サポート情報-017.JPG

          2011.08.19

司法書士法人H&Wトラスト 代表社員司法書士 原内直哉



【金融機関の融資は会社の事業へ投資している…】



 事業を興して経営することは,所有と経営が一致している中小零細企業の経営者にとっては投資でもあります。

経営が,努力の末や継続した結果で成功した!?と成功体験談を聞いたりします。


 しかし,果たして成功した成功している経営者はそうだったのだろうか?

 努力や継続は具体的な計画があるからこそ成し得たことであって,投資に対するリターンがなければ,金融機関から融資を受け,人を動員して,時間をかけるなどそのようなリスクはとっていないでしょう。



 一般的に事業を興し継続するためには金融機関の融資が必要です。この金融機関の融資は,金融機関にとっては投資であることは忘れてはいけません。

 つまり,融資先の会社の事業へ投資したのであって単に金銭を貸し付けたのではありません。


 そうならば,この金融機関の融資(投資利回り)よりも高い利回りをとれる事業でなければ融資してもらっても利益がないので意味がありません。



【投資利回りとローン定数】


 ところで金融機関の投資利回り(融資)はどのように計算すればいいのだろうか?複雑そうに思えますがそんなに難しくありません。


 私の経営している不動産会社では,不動産投資の際に「ローン定数(K%)(金融機関側からみれば投資利回りで,投資家側から見れば調達コストとなります。)」という数値を用います(不動産投資は,まさしく金融機関と投資家の共同事業であるから)。


 このローン定数の計算方法は、「ローン定数(K%)=年間の負債支払額÷ローン総額」で算出します。


 文字通りローン定数ですから,金利や融資期間で定まる数値であって,金利イコール金融機関の利益ではありません。


 例えば,3,000万円を2%の金利,元利均等払いで期間5年の融資を受けた場合,計算した結果は次のとおりになります。

年間の負債支払額 金630万9,994円(端数切り上げ。

元利均等払いなので年間の返済額は同じである。) ÷ ローン総額 金3,000万円 = ローン定数(K%)21.03%

となります。


 つまり,ローン定数(K%)が21.03%あるので,それを超える利回りのとれない事業に対して,金融機関から融資をもらっても投資利益は出ないということになります(資金調達コストが21.03%かかっているわけだから,それ以上の利回りがなければ投資としては儲かっていないということ。)。



 もちろん,事業や投資の利益を出すには理論的な数字だけではなく,事業計画やコストの見直しも必要です。

 融資を得て事業を興したり継続するか否かを考えるとき,ひとつの目安としてこのローン定数(K%)をご利用ください。

以上

posted by 再生チーム at 11:40| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…債務整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月11日

月刊・企業再生サポート情報 bO16

建設業の会社分割と経営事項審査の引継ぎ

企業再生サポート情報-016.jpg

       2011.07.11

司法書士・行政書士  星 野 文 仁



 最近、当事務所では、立て続けに2件の経営事項審査の引き継ぎが絡む、建設業の会社分割を行った。

 経営事項審査とは、建設業者が公共事業を行う上で必用な能力を備えているかどうかを客観的に表す指標で、公共事業を行う建設業者では、この評点が低いと死活問題となる。

 一般的に会社分割を行った場合には、この経営事項審査を引き継ぐことができるが、その手続きは煩雑を極め、行っている行政書士事務所は少ない。当事務所でも今まであまり多くの経営事項審査の引き継ぎを行って来なかったので、多いに勉強になった。


1.典型的な事業再生


 一つ目は、典型的な事業再生であり、いわいるグッドとバッドに分けて、バッドの方は、特別清算をするというものであった。

 この会社分割は、建設業を分割によって外に出さなければならなかったため、始めに受け皿会社を設立し、特定の建設業の許可を得たうえで、吸収分割を行った。当該会社は、公共工事を中心とした建設業であったため、経営事項審査の引き継ぎも当事務所で行った。

 しかもこの会社は複数の県に跨って建設業を行っていたため、国土交通大臣の許可を得ていて、建設業のほかにも宅建業、一級建築士事務所の許可を受けているなど複雑な案件であった。また、決算期とずれた時期に分割期日を設定せざるを得なかったため、経営事項審査の引き継ぎは、複雑を極めた。


 しかし、事前に十分当局と打ち合わせておいたおかげで、比較スムーズに経営事項審査の引き継ぎができたと、お客様から喜ばれた。この分割では、その後、不動産の登記もさせて頂いたため、


1.会社分割のスケジュール管理→
2.受け皿会社の設立→
3.国土交通大臣の建設業の許可→
4.吸収分割→経営事項審査の引き継ぎ→
5.宅建業、一級建築士事務所の引き継ぎ→
6.会社分割に伴う不動産の移転、根抵当権の変更など、

大量の案件をワンストップで行うことができ事務所のノウハウ蓄積にも非常に役立った。




2.別事業を行っていた会社同士が合併し、その後、その合併を解消


 二つ目は、事業再生ではなく、もともと別事業を行っていた会社同士が合併し、その後、その合併を解消するために、会社分割を行うという少し珍しいものであった。しかし、この会社分割も建設業を、元の会社から分割により外に出すため、一つ目の例と同様に、受け皿会社に予め建設業の許認可を下ろしておき、吸収分割によって建設業を承継するというスキームであった。また、公共事業を行っていた点では、一つ目の例と同じであったし、分割期日が決算期とずれていた点も一つ目の例と同じであった。


 この分割スキームで難しかったところは、一つ目の例と違って、会社分割後も両方の会社が別々に営業を続け、しかも、宅建業だけは両社とも営業を続けるスキームだったことである。この会社もそもそも別々の県にあった会社同士が合併したため宅建業については国土交通大臣の許可であったが、会社分割後はそれぞれ別々の県の会社になるため国土交通省の許可を県知事に変更しなければならなかった。


 当事務所では、組織再編スキームはこれまで、170件以上の実績があるが、許認可がこのように複雑に絡み合った例は、少なかったので非常に勉強になり、かつ、組織再編の奥の深さを改めて感じさせられた事例であった。


============================================

posted by 再生チーム at 08:39| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…企業再編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月17日

月刊・企業再生サポート情報 bO15

事例に学ぶ!
“起死回生”に成功した経営者は会計事務所を活用していた!


企業再生サポート情報-015.jpg
 2011.06.17

リスク・カウンセラー 細野孟士

 経営危機に陥った経営者からの4〜5百件の相談事例の中には、百社百様の原因と苦境から脱出するための生々しいドラマとありますが、その中でも“起死回生”が果たせる経営者は残念ながら数パーセントに満たないという現実の厳しい姿があります。
  

1.再生できた企業は早期発見、早期対策をしている

 企業が経営危機に直面したときの状態は、対応を怠ると概ねA〜Eのステップに進行していきます。

 どのステップで、どのような対応をするかによって、その企業が再生できる企業なのか、破産してしまう企業なのか…状況は大きく変わってきます。

 経営危機に直面した経営者は、表の「Aステップ」の時点で積極的に会計事務所に相談しておくことによって、その企業の生死が決まると言っても過言ではありません。

 「B〜Cステップ」では、もはや再生、再起の専門家による火急的な『再生支援対策』を講じなければ、またたく間に「Dステップ」に進行してしまい、再生の可能性が極めて低くなっていますので、事業継続を断念することも視野に入れ、親族を含む近親者にその実態を開示しておき『起死回生』のための余力を残しておくことも必要です。

 すでに「Eステップ」に至ってしまった場合には、「如何にして家族と社員を守るか…」を基本に専門家の指導の下に、限られた選択肢の中から最善の道を撰んで粛々と進むことが良いでしょう。

2.経営危機の時こそ会計事務所を活用しよう


 経営者の会計事務所に接する意識はさまざまですが、年に1回、資料をまとめて渡して決算書を作成してもらうという経営者がいますが、経営危機に直面したからといって会計事務所に相談したところで会計事務所でも十分な対応が出来ないことはいうまでもありません。

 会計事務所は、経営者の一番身近な立場で相談を受け、顧問先の財務状況を詳らかに知る立場にあるわけですから、時系列的に変化している月々の財務諸表の作成を通しているからこそ、『経営危機の芽(兆し)』が見えているのであって、経営者とほぼ同時限でそれを知ることになります。

 会計事務所を効果的に活用している経営者は、頻繁に会計事務所との連携を保ち、刻々と変化している経営情報をデスクローズしているので、『経営危機の兆し』の発見も早く、しかも情報が共有化されていることから速やかに分析と対策が可能になってきます。

 経理伝票の処理業務と決算申告をするだけが会計事務所ではありません。多くの経営情報や広い専門家集団のネットワークを持っているからこそ会計事務所は経営者の味方なのです。それができない会計事務所であるならば、目先の顧問料の安さにこだわらず、ご自分の会社に相応しい会計事務所を探すべきです。




********************************

posted by 再生チーム at 17:25| Comment(0) | ◆リスク・カウンセラーからの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月17日

月刊・企業再生サポート情報 bO14

『東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律』

月刊  企業再生サポート情報  bO14

企業再生サポート情報-014_ページ_1.jpg

企業再生サポート情報-014_ページ_2.jpg

企業再生サポート情報-014_ページ_3.jpg

企業再生サポート情報-014_ページ_4.jpg

         2011.05.17

『東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律』


                                 税理士 宮 森 俊 樹



はじめに
 
 今般の東日本大震災による被害が未曾有のものであることに鑑み、現行税制をそのまま適用することが被災納税者の実態等に照らして適当でないと考えられるもの等について、緊急の対応として、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(以下「特例法」といいます。)」が平成23年4月27日に公布・施行されました。
 なお、この法律案において「東日本大震災」とは、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及び原子力発電所の事故による災害をいいます(特例法2@)。
 本稿は、特例法の改正項目のうち、主な法人の税務上の対応について解説することとします。
 
1.申告期限の延長

@国税庁長官による告示
 国税庁長官による延長(国通令3@)の規定に基づき、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限のうち、図表−1に掲げる地域に国税の納税地を有するものに係るもの(その者の納付すべき国税に係る期限については、その国税の納税地がその地域にあるものに限ります。)で、その期限が平成23年3月11日以降に到来するものについては、その期限を別途国税庁告示で定める期日まで延長します(国税庁告示8:平成23年3月15)。
      図表−1 国税庁長官の指定地域
 


A交通手段や通信手段の遮断又はライフラインの遮断などによる申告・納付等の期限延長について

 今般発生した東日本大震災の被害状況に鑑み、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県以外の地域に納税地を有する納税者においても、東日本大震災の影響により図表−2のような事情が発生し、申告・納付等ができない場合には、申告・納付等の期限延長が認められます。
 申告納付等の期限延長を受けようとする場合には、状況が落ち着いた後に「災害による申告納付等の期限延長申請書」を所轄税務署に提出して下さい。また、申告等と併せてこの申請書を提出することもできます(国税庁:平成23年3月14日)。



図表−2 納税者の申請による申告・納付等の期限延長の事情

2 震災損失の繰戻しによる法人税額の還付

@ 適用要件
法人の平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する各事業年度又は平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において生じた繰戻対象震災損失金額(欠損金額のうち東日本大震災により棚卸資産等について生じた損失の額で一定のものに達するまでの金額をいいます。)がある場合には、その各事業年度に係る確定申告書又は当その間期間に係る仮決算の中間申告書の提出と同時に、その繰戻対象震災損失金額に係る事業年度又は中間期間開始の日前2年以内に開始した事業年度の法人税額のうちその繰戻対象震災損失金額に対応する部分の金額の還付を受けることができる措置を講じます(特例法15,同法23)。
A 罰則規定
 偽りその他不正の行為により、震災損失の繰戻しによる法人税額の還付を受けた場合には、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科します(特例法33)。




3.仮決算の中間申告による利子・配当等に係る源泉所得税額の還付

 法人の平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において東日本大震災により棚卸資産等について生じた損失の額で一定のものがある場合には、その中間期間に係る仮決算の中間申告において、その中間期間において課される所得税額でその中間期間の法人税額から控除しきれなかった金額(その損失の額を限度)を還付する措置を講じます(特例法16,同法24)。



4.中間申告の特例

 東日本大震災に係る国税通則法の規定による申告期限の延長により、中間申告書の提出期限と確定申告書の提出期限とが同一の日となる場合は、その中間申告書の提出を要しないこととします(特例法17,同法25)。
 

5.被災代替資産等の特別償却

@適用要件
 法人又は個人が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、東日本大震災により滅失し若しくは損壊した建物、構築物若しくは機械装置若しくは一定の船舶、航空機若しくは車両運搬具の代替資産の取得等をしてその事業の用に供した場合又は建物、構築物若しくは機械装置の取得等をして被災区域及びその被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地の区域内においてその事業の用に供した場合にはこれらの減価償却資産(被災代替資産等)の取得価額に、図表−3の区分ごとに、それぞれに掲げる償却率を乗じた金額の特別償却ができる措置を講じます(特例法11,  同法18,同法26)。
A被災区域の範囲

 上記@に規定する「被災区域」とは、東日本大震災により滅失(通常の修繕によっては現状回復が困難な損壊を含みます。)をした建物等の敷地及びその建物等と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域をいいます(特例法11@)。




6.特定の資産の買換えの場合等の課税の特例

 法人又は個人が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間(以下「対象期間」といいます。)内に、図表−4の買換えを行う場合には、その買換えに係る対象期間内に資産の譲渡をして、その譲渡の日を含む事業年度において取得をし、かつ、その取得の日から1年以内にその事業の用に供する資産について、その譲渡をした資産に係る譲渡利益金額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳(課税繰延割合100%)ができることとします(特例法12,同法19〜21,同法27〜29)。
 なお、個人については、取得価額の引継ぎができる措置を講じます(特例法12E)。
 
  図表−5 特定資産の買換えの範囲
 
 
7.代替資産の取得期間等の延長の特例

 収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法64の2@)及び特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法65の8@)について、東日本大震災のため、代替資産又は買換資産をその取得すべき期間内(その末日が平成23年3月11日から平成24年3月31日までの間にあるものに限ります。)に取得をすることが困難となった場合には、一定の要件の下に、その期間を2年以内の範囲で延長することができることとします(特例法22,同法30)。




**********************************

posted by 再生チーム at 17:19| Comment(0) | ◆税理士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月01日

月刊・企業再生サポート情報-bO13

月刊・企業再生サポート情報-bO13

企業再生サポート情報-013.jpg

       2011.04.01

中小企業の資金繰りを助ける
平成23年4月以降の「セーフティネット保証(5号)」の活用について


                       中小企業診断士 佐々木 文安


●中小企業の資金繰りを支援する「景気対応緊急保証制度(緊急保証)」は、平成23年3月31日をもって終 了しました。これを受けて、当初4月以降の「セーフティネット保証(5号)」は、対象業種を約半分に減ら して運営する予定でした。 
 しかし、平成23年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震と福島原発事故の影響で、中小企業の業績が急 激に悪化したことから、政府は急きょ下記の通り対象業種を広げ、また認定基準も地震発生後の影響を考慮す るものに改訂しました。


●会計事務所の先生方におかれまして、新しい「セーフティネット保証(5号)」活用し、顧問先の資金繰りを ご支援いただきますようお願いいたします。

1.認定の指定業種


 指定業種については、東北地方太平洋沖地震の発生を受け、本年9月30日までの間、
従来同様ほぼ全業種(産業中分類82業種)が対象。


2.認定基準


(イ)最近3か月間の平均売上高又は平均販売数量(建設業にあっては、完成工事高又は受注残高。以下「平均   売上高等」という。)が前年同期の月平均売上高等に比して5%以上減少していること。


(ロ)原油価格の上昇により、製品の製造若しくは加工又は役務の提供(以下「製品等」という。)に係る売上   原価のうち20%以上を占める原油又は石油製品(以下「原油等」という。)の仕入価格が20%以上も   上昇しているにもかかわらず、物の販売又は役務の提供の価格(加工賃を含む。)の引上げが著しく困難   であるため、最近3か月間の平均売上高に占める原油等の平均仕入価格の割合が、前年同期の平均売上高   に占める原油等の平均仕入れ価格の割合を上回っていること。


(ハ)平成23年東北地方太平洋沖地震の発生後、原則として最近1か月間の売上高等が前年同月に比して20   %以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減   少することが見込まれること。
以上

(注1)多くの顧問先は、(イ)か(ハ)に該当するものと思われます。認定作業は、企業の本社所在地か主な   事業所の所在地の市区町村の窓口で行われています。会計事務所としては、認定に必要な資料(特に、最   近の3か月間と前年同期の試算表)の準備にご協力をお願いいたします。


(注2)災害関係保証は、災害関係保証は、直接的な被害を受けた事業所所在地の市区町村・消防署から罹災証   明を受けないと利用できません。したがって、直接的に被害を受けていなくて売上などが急減している個   人事業主・企業は、「セーフティネット保証(5号)」を活用するのが良いと思われます。


(注3)保証概要
   ◇対象となる方 原則全ての業種に属する中小企業者(例外業種を除く)
   ◇保証限度額  2億80百万円(無担保80百万円)(既存残高含む)
   ◇資金使途   事業資金
   ◇保証期間   10年以内
   ◇返済方法   分割返済
   ◇融資利率・保証料  取扱い機関により異なる



 なお、本件について詳しい内容を知りたいという顧問先がありましたら、企業再生支援チームまでご連絡ください。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

posted by 再生チーム at 10:40| Comment(1) | ◆中小企業診断士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

月刊・企業再生サポート情報-bO12

月刊企業再生サポート情報 0 1 2
企業再生サポート情報-012.jpg
2011.03.18
災害発生時の『災害対策マニュアル』について

特定社会保険労務士川端重夫


3月11日に発生した「東北関東大震災」では多くの犠牲者が出てしまいました。尊い命を失われた方々には
心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、その影響で福島にある東電の原子力発電所の放射線が外部に漏れ
ているのではないかと心配です。

また、東電の「計画停電」でJRや私鉄、地下鉄などの運行が混乱し、今後どうなるのかも不明です。無理
をして出勤し事故に遭わないとも限りません。この際「災害対策マニュアル」について考えてみませんか。


1.災害は何時くるか予定出来ません

今回の「東北関東大震災」は、M9.0という未曾有の過去最大という地震でした。その後も何回となく新
しい地震が襲ってきています。東海大地震は何時きてもおかしくないと言われています。
東海大地震がくれば、南関東地域は直下型地震と言われています。今回の地震が東海地震の前触れにならな
いよう願うのみです。そこで皆様の事務所や会社で災害時の対策がどうなっているか確認する意味で少し整理
してみました。大事な人財を失わないために。

2.緊急連絡網の整備は

今回の地震で携帯電話や固定電話はほとんど機能しませんでした。個々人が勝手に電話すれば回線がマヒし
てしまいます。少しでも効率よく連絡するには、あらかじめ従業員の「緊急連絡網」を整備しておくことをお
勧めします。

@従業員全員の住所、緊急時の連絡先、電話番号(携帯電話も)、FAX番号など一覧表にし、各自に渡し、
かつ、事務所内に掲示する。

A電子メールを利用しているのなら、メールアドレスを一覧表にしておく。

B連絡の優先順位とその連絡手順を一覧表にしておく。


3.重要書類、データ等の管理は

@重要書類の保管については耐火金庫に保管するのがベターですが、銀行の貸金庫を利用するか、専門業者
の貸金庫へ委託することも検討しましょう。

Aデータ等については、情報処理機能の「バックアップ」対策で。

B防災用品の備蓄として、非常食は最低でも1人1日分は用意し、出来れば3日分程度は用意しておきたい
ものです。

*非常食⇒飲料水、乾パン、餅・ごはん(真空パック)、缶詰、チョコレート等。
*防災用品⇒懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、防災頭巾、ヘルメット、救急箱、軍手等。


4.災害が実際に発生したときは

地震の警戒宣言が発令されたら、情報収集に努め、混乱を防止し、火災等による被害を最低限度におさえる
ように努めましょう。そして、直ちに業務を中止し、緊急避難場所の確認をし、防災用品の確認をしましょ
う。なにはともあれ、人命の保護・救済が第一です。勤務時間内に地震が発生した場合は、無理に帰宅させ
ずに、社内に待機させることも大事です(帰宅困難者)。


5.地震の心得10ヵ条

@まずわが身の安全を図る。
Aすばやく火の始末。
Bあわてて外に飛び出すな。
C避難路の確保。
D危険な場所には近寄るな。
E人の集まる場所では冷静な行動を。
F自動車は左によせて停車。
Gがけ崩れ、津波などに注意。
H避難は徒歩で、持ち物は最小限に。
I正しい情報で行動。


6.事業所の当面の対応策

@残業の原則禁止。
A早退の容認。
B遅刻・欠勤の容認(交通機関の事情による)。
C被災した従業員への特別休暇の付与。
D宿泊を伴う出張の抑制(家族の不安除去)。
Eその他企業の独自の事項を決めておく。


−従業員の安全を第一に考えましょう−
左向き三角1
posted by 再生チーム at 12:54| Comment(0) | ◆社会保険労務士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月17日

月刊・企業再生サポート情報−号外

月刊・企業再生サポート情報−号外


平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震等による災害の
激甚災害の指定及び被災中小企業者対策について

 
1000年に一度と言われる広域の大地震・津波が2011年3月11日発生し、東北・関東北部の海岸沿いでは多くの方が亡くなったり行方不明となっております。  また、住宅や店舗だけでなく、公共の建物や工場・事務所も跡形もなく破壊されました。

 会計事務所の顧問先でも、本社は首都圏にあっても、工場や営業所が東北の海沿いにあり、大きな被害を受けた企業も少なからずあると思います。
 このような先に対して、会計事務所としては、相談を受ける前に再建に必要な情報を提供していただきたいと思います。
 このことが顧問先を守り、如いては会計事務所を守ることにつながると思います。

 そこで、政府が早速打ち出した被災中小企業者に対する支援施策をここに紹介するとともに(後掲)、この手続きについて会計事務所のご支援をお願いいたします。
 また、大地震・津波災害の影響に加えて東電の原発事故による電力不足やガソリン不足で流通が止まり、業績が急激に悪化している企業も多く出始めています。

 この中小企業者に対する政府の支援策は今後検討され施策が出されると思われますが、それまでの間は自力で資金繰りを図っていくしかありませんので、これらの方々に対するご支援もよろしくお願いいたします。 
 なお、顧問先支援について「企業再生チーム」に相談をされたい方は、直接当チームにご連絡をいただくか、もしくはビジネス会計人クラブ事務局までご連絡をいただきたくお願いいたします。

 http://www.meti.go.jp/press/20110313003/20110313003-1.pdf





激甚災害の指定及び被災中小企業者対策について_ページ_1.jpg

激甚災害の指定及び被災中小企業者対策について_ページ_2.jpg

激甚災害の指定及び被災中小企業者対策について_ページ_3.jpg

激甚災害の指定及び被災中小企業者対策について_ページ_4.jpg


=================================

posted by 再生チーム at 12:59| Comment(0) | ◆中小企業診断士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月17日

月刊・企業再生サポート情報 bO11

月刊   企業再生サポート情報    bO11

企業再生サポート情報-011.jpg


事業を継続すべきか?恒常的な赤字体質の会社

          2011.02.17


司法書士法人H&Wトラスト 代表社員司法書士 原内直哉



【はじめに】

 先生方の顧問先に酒類販売会社も数多くあると思われます。

 ご存じのとおり酒類販売の規制緩和により,メガスーパーやコンビニで酒類が販売できるようになり,地域に根付いた老舗の酒屋の売上減少により,店じまいする会社や倒産してしまう会社も多くなっていると思われます


【具体的な事案】

 私が相談を受けた会社は,K県O市にある二代目の酒類等販売する会社です。

 これが二回目の相談になります。

 最初の相談は,二代目経営者がシステム金融に手を出してしまい,お店の方へ督促の電話が頻繁にあり,酒屋としてまともな営業すらできないので何とかしてほしいというものでした。

 その際に会社の内情も聞かせてもらいましたが,システム金融に手を出すくらいなので大体察しはつくと思われますが,恒常的な赤字体質で粉飾決算を行い,金融機関等には在庫の虚偽報告を繰り返している状況でした。

 これまでも何とか債務を圧縮しようと所有不動産を処分したそうですが,時すでに遅く,損害金の発生している債務は大きく,不動産を処分しても経営改善できる程の大きな債務圧縮に至りませんでした。

 システム金融の方は,白紙小切手をなんとか回収することができ,通常の営業ができるようになりました。


 しかし,これを無くしただけでは債務や赤字体質がどうにかなるわけではありません。

 経営者と関わる中で会社の事業を処分するか破産させるかを勧めましたが,私の話には頷きませんでした。

 それから1年半経って私の話を思い出して再度相談に来たわけです。

 酒屋は親戚同士で販売店や問屋にわかれて営業していることがあります。

 今回の相談者の親戚は,酒類等の問屋をしており債務をなんとかできるなら事業を引き継いでも良いとの回答を得ています。また,営業上必要な債務の支払いならできる範囲で協力するとの話もいただいています。



【今後どのようなスキームで事業再生?事業継続させるか】


@ 第二会社を設立するなどし事業譲渡によって営業継続するか
    → 経営者は親戚の問屋,現在の経営者は一従業員として働く

A 会社も経営者も同時に破産など法的整理を行う



【問題点】

@ 親戚の問屋に差し入れている保証金は消費税滞納によって差し押さえられている

A 闇金のような個人金融からの債務もある

B 取引先の買掛金がある

C 事業譲渡後に取引先や顧客が継続されるか


【良い点】

@ 古くから地元に根付いており顧客は多い
    → 売上は2億強?ある。

A 会社や経営者に債務の問題があることを知りながらも従業員は辞めないで一生懸命働いている

B 親戚の問屋が事業再生に協力的である

C 売掛金は少ない


 現在は,どのような方法で事業再生・事業継続していくか検討している段階です。

 どのような決着になったか,改めて本紙でご報告いたします。




==============================

posted by 再生チーム at 18:19| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…債務整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月17日

月刊企・業再生サポート情報 bO10

月刊・企業再生サポート情報  bO10
 企業再生サポート情報-010.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。
 

事業譲渡をめぐる債権者と債務者の利害衝突について
       2011.01.17

弁護士 安達一彦


 
 債務超過会社が再生の手段として、第二会社を設立し第二会社に対し事業譲渡をする事例が数多く見受けられます。

@第二会社が譲渡会社より金融債務を除外し買掛金等一部の債務のみ承継した場合、
A譲渡会社が第二会社に対し無償若しくは低廉な価格で事業譲渡をした場合、

債権者と債務者の利害が衝突し訴訟等トラブルになる事例が多発しております。
 
債権者はどのような理論で、債務者に対し責任追及するのでしょうか。


1.事業譲渡とは
 
事業譲渡とは、営業目的のため組織化された有機的一体として機能する財産(商号、暖簾、取引先など無形の価値があるものを含む)を譲渡することをいいます。

事業譲渡の存在理由は、

@従業員取引先等会社を取り巻く人々の保護となる 
A譲受会社にとって新規に事業を展開するより時間的経済的効率性が高い 
B譲渡会社の固定資産等有機一体的資産が維持されるので社会経済的観点からして有益であるところにある

と言われております。



2.事業譲渡のメリットとは

 事業譲渡には、
@会社分割や合併と異なり債権者に対する異議催告手続きが不要とされており手続の簡略性があること
A譲渡会社・譲受会社の両当事者間の契約により譲渡財産を選別のうえ必要な事業のみを承継することができること
B簿外債務を承継する危険性がないこと

の各メリットがあります。



3.事業譲渡をめぐるトラブルとは

(1)法人格否認の法理について
 第二会社が買掛金等一部の債務のみ承継した場合、除外された債権者は債権者に対する支払いを免れるために第二会社が設立されたものであるとし、第二会社に対して支払いを求める場合があります。

 その場合の理論として法人格否認の法理が主張されます。

法人格否認の法理は、第二会社が形骸化され第二会社の設立が濫用され実質的にみて譲渡会社と第二会社が同一視できる場合に、第二会社は譲渡会社の債務について支払責任があるとする理論なのです。

判例は、譲渡会社と第二会社が実質的に同一視できるか否かの判断要素として次の判断材料に着目しております。

@ 会社の目的及び営業内容に共通性があるか
A 本店所在地が同一場所であるか
B 株主構成に共通性があるか
C 譲渡会社の代表取締役が第二会社に対し資本金を拠出しているか
D 役員に共通性があるか
E 譲渡会社の代表取締役が第二会社より利益分配を受けているか
 
そして、譲渡会社と第二会社を比較し上記判断材料@ないしEの多数に共通性があるとき、
譲渡会社と第二会社が実質的に同一視できると認定しているのです。
 
そこで、皆様が相談者に対し第二会社を設立をお勧めする場合、
上記@ないしEについて共通性がないようご指導することが訴訟リスクの回避につながるということにご留意下さい。



(2)詐害行為取消の法理について
 
譲渡会社が第二会社に対し無償若しくは低廉な価格で事業譲渡をした場合、
債権者は事業譲渡が詐害行為に該当するとして事業譲渡契約の取消を求める場合があります。
 
詐害行為取消の法理は、債権者は平等であるということを根本理念としており、
民法第424条に「債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。」
と詐害行為の要件と効果を規定しております。

 皆様は、相談者に対し事業譲渡に際しデューデリジェンス(適正手続)を貫徹することをお勧めして下さい。

デューデリジェンスの典型は、譲渡資産の評価ですが、第二会社設立を企図する相談者に対し、
譲渡資産(不動産、株式、営業権等)の評価を不動産鑑定士・税理士・公認会計士等有資格者により公正に施行することを説得するべきです。
 
債権者は、第二会社が譲渡会社に対し支払った事業譲渡の対価を譲渡会社が債権者に対し債権額に応じ公平に分配することを期待していることに注意喚起するべきです。


===============================

posted by 再生チーム at 18:08| Comment(0) | ◆法律家からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月20日

月刊・企業再生サポート情報 bO09

月刊・企業再生サポート情報 bO09
企業再生サポート情報-009.JPG
M&Aに絡む“法人登記”と“不動産登記”の問題点

         2010.12.20


司法書士・行政書士  星 野 文 仁



 今回は、M&Aに絡む法人登記と不動産登記について注意点をご紹介したい。


1.商号続用による免責の登記とは……


 会社分割に絡む法人登記で、最近、承継会社側からオーダーが多いのが、商号続用による免責の登記である。


 商号続用による免責の登記とは、あまり耳慣れない言葉だと思うが、この根拠条文は、会社法にある。

 会社法第22条第1項では、会社がある会社から事業譲渡を受けた場合に、その事業の譲渡会社が使用していた商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する旨を規定している。


 いわば、譲受会社が、譲渡会社の債務についてあたかも連帯保証をするようなものである。これは、事業譲渡によって経営主体が変わった場合でも、通常、譲渡会社の債権者はそのことを知らず、商号が変わらなければ事業主体が変わらないと思うからであり、会社の債権者保護のための規定である。具体例を挙げると、A社からある事業を譲受たB社が、事業譲渡後にA社に商号変更する場合には、この新A社は、旧A社の債務を引き受けなければならないことになる。グループ内再編等で第二会社方式を用いる場合には、このようなケースはいくらでも発生しうる。


 一方、同条第2項で、事業を譲り受けた後、遅滞なく譲受会社がその本店所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、その責任を負う必要がない旨を定めている。これが、商号続用の免責の登記である。


 実は、この商号続用の免責の規定は、会社法の事業譲渡のところに規定されているだけで、会社分割では、そのような規定がなく、これを認めるかどうか争いがあった。旧商法時代に、商事法務なる雑誌にこの免責の登記は、会社分割の場合でも可能である旨の論文が掲載され、私の事務所で一度、吸収分割を行った会社で、この登記を入れたことがある。


 その後、H18年5月に会社法が施行され、この登記ができるかどうかが争いになったが、結局、H20年5月に最高裁判所において、会社分割による場合でも、会社法第22条第2項を類推適用して商号続用の免責の登記をすることができるとの判決が出されたため、今では、この登記をすることも珍しくなくなった。

 クライアント保護のためにも、広く活用すべきである。




2.分割会社が根抵当権の債務者となっている場合の問題点


 会社分割と不動産登記で、見落とされがちなのが、分割会社が根抵当権の債務者となっているケースである。分割会社が、根抵当権の債務者となっている場合には、民法第398条の10第2項の規定により、債務者を分割会社と承継会社の2社にする変更の登記をしなければならない。   


 このことは、分割計画書や分割契約書に、分割会社の債務を新設会社または承継会社に移転しない旨の定めがあったとしても当然のこととされているので充分注意が必要である。


 また、会社分割後に債務者の変更による根抵当権の変更登記をみだりに行うと会社分割前に担保されていた債務が、根抵当権によって一切担保されなくなることもあるので、司法書士等の専門家に相談するのがよいだろう。


=======================================

posted by 再生チーム at 18:13| Comment(1) | ◆司法書士からの情報…企業再編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月10日

月刊・企業再生サポート情報 bO08

月刊   企業再生サポート情報    bO08 


企業再生サポート情報-008.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

事例から観る
“再生できない経営者”と“再生できる経営者”

         2010.11.10


リスク・カウンセラー  細 野 孟 士




 多くの企業再生サポートをしていると、再生できる企業であるかどうかは、第一段階の『スクリーニング』による結果において判断することができます。企業再生には『スクリーニング』は欠かすことができない工程であり、短期間に分かりやすく作成しなければならないものです。

 それは、社長と面接して財務資料をもとに現状の経営危機に至るまでの顛末をお聴きした後、経営陣や従業員、そして経営者の親族などの言動に接触することから検証する『情報スクリーニング』によって、財務諸表による『計数スクリーニング』に間違いがないかの裏付けをとることで、再生企業の“実態”をより確かなものとして把握することができ、いよいよ企業再生チームの専門家が集まり『再生策』の検討に入ります。

 こうして出来上がった『スクリーニング資料』と『再生計画案』をもとに経営者との再生方策の具現化に取り組むわけですが、残念ながら『再生計画案』を作成することすらできない危機的状態の企業が圧倒的に多く、“再生可能”と見込まれる企業は僅か1〜2%にすぎません。



1.再生も…、再起も…、できない経営者
 
@恩借り経営を続けてきた経営者……

恩借りとは、親族や友人から借入したり借入金の連帯保証人になってもらい会社の資金繰りに充てていたという状況のことです。
返済のメドがないのに“その場凌ぎの恩借り”をしてきたことにより自分自身が苦しみ、八方塞がりとなった挙げ句の果ては高利の街金融に活路を求め、厳 しい借入の取り立てに耐えきれず経営を放置してはいけません。

A粉飾決算を当然としてきた経営者……

回収不能の売掛金、換価価値のない不良在庫や仕掛品、故障し廃棄した車両や設備機器類、回収見込みのない貸付金や出資金など、あたかも実態があるかのように資産計上している経営状態では、金融機関に融資申し込みをしても当然に暴露されます。

B公私の実態を開示できない経営者……

中小企業経営者の“資産”や“負債”は『会社=個人』として考えて おかなければなりません。
再生や再起を図る際には“家族の生活を守る”ための許される範囲内での方策が必要です。
それには会社実態の開示と、個人(家族関係)実態(資産と負債)の開示が必要です。

C見栄を張り続けて抵抗する経営者……

企業再生には、経営者の立場を理解し支援してくれる親族、従業員、 取引先などの協力なくしてなし得ることはありません。
経営者は、謙虚に自省し過去の栄光とキッパリ決別 することが大切で、時々刻々と変化する社会状況に添って再生を図る時に過去の栄光は必要ありません。

D4つの健康管理を無視する経営者……

Karada.Kokoro.Keizai.Kankyou.は、経営者が常に心がけて いなければならない4つの健康のことです。
健全なる経営は健全なる4Kが維持されていてこそ成り立つも のなので、4Kを放置している経営者には、再起、再生はムリなことでしょう。

Eコンプライアンスを守らぬ経営者……

企業の存続は、社会に貢献し多くの人々に受け入れられる経営をして いなければあり得ません。
平然と法律を無視したり公序良俗に反する行為で社会的批判を受けるような事業 では、再生、再起を図ることは困難でしょう。



2.再生できる経営者とは……


 企業再生に着手するタイミングを見誤ると、それは経営者の意志に反して“倒産分岐点”へと突入していることになります。

 企業経営が順調であるときほど油断は禁物であり、“停滞期”を感じたら徹底的な現状(実態)分析に着手し、
自力再生に向けて専門家のスクリーニングを受けることをお勧めします。

 “危機の兆し”は見えにくいところに潜伏しています。
停滞期にはズルズルと無駄な時間を費やさず見切り千両の決断によって“再生分岐点”の対策に着手することなのです。
スクリーニングは企業経営の“定期診断書”として活用してください。


===========================================

posted by 再生チーム at 10:01| Comment(0) | ◆リスク・カウンセラーからの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月04日

月刊・企業再生サポート情報−bO07

月刊・企業再生サポート情報−bO07

企業再生サポート情報-007.jpg
▲PDFでご覧になる方は
ココをクリックしてください。

「金融円滑化法」の上手な活用の仕方

          2010.10.04

中小企業診断士 佐々木 文安




 景気回復が中折れ状態に入り、やや回復し始めた中小企業の経営状況もまた下降気味になりつつあります。このような中で、これまで資金繰り等について公的支援などに頼らずともやってこられた企業の中からも、そろそろ対策を考えなければという企業が現われ始めました。
 そこで、会計事務所の先生方に、あらためて「金融円滑化法」(平成23年3月末までの時限立法)の内容と上手な活用の仕方、活用を躊躇させている誤解等について解説させていただきます。現在、この法律に基づいて金融機関に申し込むと5件に4件は貸付条件変更を認められ、安定した資金繰りのもと経営改善に取り組むことが可能となっています。



1.「金融円滑化法」等の内容


(1)本法律の内容(概要)
 @金融機関は、中小企業又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合は、貸付条件変更等を行うよう努める。
 A金融機関の責務を遂行するための体制を整備し、実施状況と体制整備状況を開示する。(虚偽開示には罰則を付与。)
 B実施状況の当局への報告(虚偽報告には罰則を付与)。当局は、報告をとりまとめて公表。
 C信用保証制度の充実等。


(2)本法律の施行に伴い改訂された金融検査マニュアル別冊【中小企業融資編】(平成21年12月)
 @貸出条件変更を行う際に、経営改善計画等がなくても、最長1年以内に計画などを策定する見込みがあれば、条件  変更を行った時から1年間は貸出条件緩和債権とはしない。
 A金融機関の検査・監督において、中小企業への経営相談・経営指導等、コンサルティング機能を発揮しているかを  重点的に検証する。


2.「金融円滑化法」の上手な活用の仕方


(1)金融機関に「文書」で申込む
  口頭だけの貸付条件変更申込みでは、金融機関として意思表示を認めてくれない先がありますので、文書で 申込むことがポイントになります。記載内容は、ごく簡単な内容で通るようです。(例:返済金額を半額程度 に減額していただきたくお願い申し上げます。)

(2)半年程度の「資金繰り表」を添付する
  申込みを受けた際に、金融機関としては貸付条件変更が本当に必要かどうか審査します。
  この場合に最低「資金繰り表」が必要になります。この資金繰り表は、「貸付条件変更によって資金繰りが 可能」という内容になっていなければ認めらませんので、作成に当たっては注意が必要です。貸付条件変更が なくても資金繰りが可能と判断された場合は認められません。



3.「金融円滑化法」の活用を躊躇させている誤解


Q:「貸付条件の変更等」受けたことを理由に、今後新規融資を受けられないのではないか。
A:そのようなことはありません。個別融資は、各金融機関が借り手の信用力等踏まえて判断します。金融庁と  しても検査・監督でそのようなことがないよう検証していくとしています。


Q:金融機関に「貸付条件の変更等」申し込んだが断られた。あきらめるしかないか。
A:あきらめる必要はありません。他の金融機関や信用保証協会等に相談をしてみましょう。金融円滑化法で     は、各金融機関が、他の金融機関と連携を図るよう求めています。(以上、金融庁ホームページから引用)



4.会計事務所で対応が難しい場合や緊急の場合


 会計事務所で対応が難しい場合や緊急の場合は、企業再生支援チームにご相談下さい。金融のプロが親身にご支援させていただきます。




===================================

posted by 再生チーム at 09:55| Comment(0) | ◆中小企業診断士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月02日

月刊・企業再生サポート情報 bO06

月刊   企業再生サポート情報    bO06
 
企業再生サポート情報-006.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリック!

企業再生には従業員の協力が必要
         2010.09.02


特定社会保険労務士 川端重夫





 私は、社会保険労務士として業務をしていますが、業務の性格から『倒産防止とか企業再生とかをどのようにしたら良いか』というような問題は持ち込まれてきません。
 しかし、売り上げが減少し資金繰りに困っているとか、人員整理の仕方については相談が持ち込まれます。私の体験では、人員削減までしなければならなくなった企業の再生はとても大変なことと感じています。社会保険労務士としての私の指導方針は、予防医学(労務)としています。


1.企業経営には人(人財)が一番大事です

 財務諸表の資産の部には、現金、売掛金、商品、有価証券等が記載されています。これらの資産があって、企業は利益を求めて経営活動をしている訳ですが、これらの資産が勝手に動いて利益を生み出している訳ではありません。これらの資産を有効に活用するのに、“人”つまり社員がいる訳です。
 この社員が会社の方針、社長の方針に沿って、夫々の持ち分に従って活動することによって、利益が生まれると思います。社員を有効に活用するには何が必要か。

2.社員教育、特に管理者の教育は必要です

 どの企業でも新入社員の教育はしています。何も知らない新入社員ですから当然と言えば当然ですが。私が強調したいのは、中堅社員、つまり管理者教育が大事ということです。この管理者の指導一つで、新入社員や部下が動く訳です。管理者がしっかり会社の方針に沿って、企業活動をしているか、幹部との間に不協和音はないのか。
 私の経験の中で社長が一人で何でも決めて、後は命令で幹部以下が動いていましたが、動いているようで、実際は何も進んでいませんでした。この会社はまもなく倒産しました。何回も社長にもっと社員の意見を聞くように、幹部にはもっと社長に進言するように進めましたが駄目でした。社長の能力は高かったのに残念なことでした。


3.社長は経営者として信用できるか

 特に創業社長に多いのですが、会社は自分のもの、全て自分の思うように動かせるのだと過信している人が多いです。創業した能力はありますから、それなりの実績を挙げて来ています。
 しかし、もはや一人で仕事はできないのです。社長に持って貰いたいのは、会社経営に対する情熱です。そして、その情熱が従業員に伝わっていることです。この社長の情熱を幹部社員が理解していれば更に強い会社になると思います。毛利元就ではないが、『一本の矢は折れやすいが、三本集まればなかなか折れない』の例えではないが、社員に最大の力を出させるのも経営者としての社長の役割でしょう。



4.後継者は誰?も大事なテーマです

 中小企業は良くも悪くも社長次第と思います。その社長に期待が持てないとき、従業員が次に期待するのは後継者です。後継者に期待ができれば、社員は当面は我慢しても、次の世代に期待して頑張りますが、期待できなければ、辞めていってしまいます。折角の人財が失われてしまうのです。後継者教育も大事なテーマです。社長の息子だけが、後継者ではないのです。


5.もう一度社員教育の大事さを!

 企業経営に必要なものは、『人、物、金、情報』と言われています。
 どれも大事なものですが、私は人(=社員)が一番大事と考えています。
 教育には、新入社員教育、中堅社員教育、管理者教育、幹部社員教育等があります。中でも管理者教育は大事と思います。この研修に、幹部社員や社長が出席する会社があります。そういう会社の管理者は張り切って研修に臨んでいます。社長も幹部も一緒にテーマに取り組んでいますから講師の私も力が入ります。


6.人(社員)を大事にしている会社は発展していく

 会社訪問してまず感じることは、挨拶の仕方です。この一言で会社の教育がどのようなものかが分かります。そして、笑顔で仕事をしている社員がいる会社は明るいです。


 企業再生支援というテーマには少々外れますが、再生と言う前に、企業の発展・維持という考えからするとこんな提案になってしまいました。皆様はどうお考えですか。

posted by 再生チーム at 09:49| Comment(0) | ◆社会保険労務士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

月刊「企業再生サポート情報」bO05

月刊「企業再生サポート情報」bO05


企業再生サポート情報-005.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

◆企業の経営危機に際し、どのように対応するか
    (再建をテーマとして)
2010.08.11


  弁護士 安 達 一 彦

〈テキスト〉

 中小企業の場合、経営者の保有資産が少なく資金調達能力に限界があるだけに事業活動から生じるトラブル、事故・災害などのトラブル、社員が引き起こすトラブル等ちょっとしたトラブルから経営危機を招来する可能性があります。
 企業の経営危機に際し、どのような手続選択が考えられますでしょうか。


1.再建か、清算か

 企業を再建するか、清算するかのメルクマールは「営業利益」と「人」及び「資金繰りの検討」にあります。
  「営業利益」を計上している会社は、無借金ならやっていける会社といえますので再建できる可能性が高いのです。
 企業は「人」「物」「金」によって成り立っているといわれており「人」の要素は重大です。経営者、従業員に私財の提供等を含め再建に対する熱意と実行力がなければ再建がおぼつきません。
 再建にあたっては、再建資金の準備と支払いの優先順位の検討等「資金繰りの検討」が必要です。
 一般債権者に対する弁済の前に、手形支払い・従業員の給料・材料費・公共料金・賃料等維持費等を優先して支払う必要性があるとの認識が重要なのです。



2.法的手続か、任意整理か

 企業を再建するとして、どのような手続を選択したら宜しいでしょうか。
 法的手続には、民事再生・会社整理・会社更生等があります。
 法的手続は、暴力団等和解交渉が不適切な債権者が存在する場合、個別の執行を強行しようとする非協力的債権者がいる場合、債権者に対し信頼感・公平感が得られない場合、これを選択するメリットがあります。
 任意整理とは、法的手続によらないで債務者と債権者相互間の合意により企業を再建する手続です。
 任意整理を選択するメリットは次のとおりです。


(1)管轄の制約がない。

 任意整理は、各債権者との和解交渉であり裁判手続を利用しない制度ですから裁判管轄が存在しません。
裁判所という限定された場所及び期日という日時の制約なしに、遠隔地であっても手紙・電話・ファクスを利用して債権者との交渉が可能です。

(2)コストが安い。

 法的手続は、裁判所に予納金を納付する必要性がありコストがかかります。

(3)迅速性がある。

 法的手続は、監督委員等の選任・和解案の提出期間・債権者説明会等裁判所の定めたスケジュールに制約されますので迅速性にかけます。

(4)法的手続が障害となる場合がある。

 法的手続が賃貸借契約の解除原因となっている場合や、法的手続の申立により指名入札参加資格が失われる等法的手続が再建の支障となる場合がありますので慎重な対応が望まれます。

(5)代理人がイニシアチブをとれる。

 任意整理においては、裁判所から選任された監督委員等によらず代理人が主体的に債権回収、資産の換価をすることができまた債権者との和解交渉が可能です。



3.再建の手法として、何が考えられるか


 再建の手法として、合併・会社分割・事業譲渡・株式交換・株式移転等があります。
 それぞれの利害得失がありますので、専門家にご相談されることをお勧めいたします。



==============================

posted by 再生チーム at 11:49| Comment(0) | ◆法律家からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月15日

【企業再生チーム】への相談事例


「企業再生サポート情報」A3版_ページ_1.jpg


企業再生チームがスタートしてから早くも4ヶ月。

【企業再生チーム】への相談事例を取り纏めました。




=================================
posted by 再生チーム at 17:49| Comment(0) | =事務局の宿直日記= | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月14日

月刊【企業再生サポート情報】bO04

中小企業経営者が会計事務所に望むこと

企業再生サポート情報-004.jpg
    
      2010.07.14
中小企業経営者が会計事務所に望むこと

司法書士法人H&Wトラスト 代表社員司法書士 原内直哉


 仕入れなどない継続的収入で運転資金が賄える中小企業は数えるばかりで,大半が仕入れし、機械や人の手を施し商品等として売り出し運転資金を賄っています。

 一時期は大きな収益をもたらした商品も時代の流れにより売り上げも利益率も下がり運転資金も賄えなくなってしまう。そんなとき中小企業経営者は,会計事務所に何を望んでいるのでしょうか?
 経営危機に向かっている経営者がひらめくことはだいたい決まっています。
 そのひらめきに対し,会計事務所はどう対応すればよいのか?


1.運転資金はいつまで持つのか

 数ヶ月先までの固定費は予め定まっており、入金もおおよそ定まっています。
 運転資金が足らなくなるときを会計事務所が把握し、高利の借り入れや無謀な手形の振り出しをしないよう注意を喚起し,場合によって、入出金予定表など作成し、借り入れのある金融機関への返済や取引先への支払いのリスケジュールの交渉を経営者と共に行うべきです。


2.借入金の返済はできるのか

 これも上記と同じような結論となりますが、ざっくばらんに言えばリスケジュールは取引先よりも金融機関を先行すべきです。
 そうしなければ事業継続が困難になるばかりか将来の再起も困難になります。


3.他に借り入れできる金融機関があるのか

 仮に借り入れができる金融機関があったとしても,主たる業から収益を見込めないならその場凌ぎの借り入れにしかならなく、かえって倒産を早め、私的整理や法的整理を困難にするだけです。会計事務所側に借入金融機関紹介の要望があったとしても経営状況を把握しない限り安易に紹介しないようにしましょう。


4.事業を売却することができるのか

 実際のところ、継続的収入が見込めない事業の売却は極めて困難です。仮にそれが将来有望事業でも売却は難しいものです。シナジー効果を考えると同業者や関連業者に売却するしかないように思われます。
 単一会計事務所の顧問先の中もしくは会計事務所間で売却先を見つけられるよう常のネットワークを構築すべきです。そういった意味では、ビジネス会計人クラブでご紹介いただくことがもっとも効果があるのではないでしょうか。


5.会社を清算することができるのか

 会社経営者は、ざっと見保有財産で清算できる状況であれば何とかしようと将来性がなくても事業を継続するのが一般的です。公租公課の滞納など無視してどんぶり勘定で清算できると勘違いしている場合が多く見受けられます。主たる業の売上が前期ベースで20%を超えて下がっている状況下にあれば仮の清算表を作成して経営者に考える機会を与えた方がよいと思われます。


 上記「1」「2」のように関係各所にリスケジュールの話をしなければならない状況になれば、ほぼ赤信号といえるでしょう。
 リスゲジュールするにしても一方で、会社の私的整理や法的整理を視野に入れ法律専門家などに相談を開始すべきです。その際に注意すべきことは、私的整理するにせよ,法的整理をするにせよ,決算書や確定申告書がなければどうにもならないのでそれら書類だけは最低限用意しておくことです。

 顧問先の経営状況悪化で、会計事務所では、顧問料等滞納で事務をストップさせていると思われますが、いずれの手続を行うにもよっぽどのことがない限り、会計事務所の報酬が取れなくなることはありません。

BAC「企業再生・整理・再生」支援チームにご相談下さればそれら事情も考慮に入れ企業再生を行います。

【PDF】により印刷できます。

==================================

posted by 再生チーム at 09:28| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…債務整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

月刊【企業再生サポート情報】bO03

「M&A」を行うにあたっての基本的な注意点

企業再生サポート情報-003.jpg

          2010.06.24
『M&A』を行うにあたっての基礎的な注意点!
司法書士  星 野 文 仁


 司法書士・行政書士として様々な組織再編や企業再生(以下、M&Aという)を、お手伝いしてきた経験から、M&Aを行うにあたっての特に注意すべき点を、挙げたいと思う。


1.M&Aのスケジュール管理

 M&Aで、もっとも重要なことは、スケジュール管理である。
 ・いつまでにこのM&Aを終了させなければならないのか?
 ・それは、なぜなのか? 
 一般的に、企業再生のM&Aを、行う場合には、事業年度の最終日の翌日を、分割期日や合併期日とすることが多い。これには、債権者の都合や許認可の関係等いろいろな要素が絡み合っていることが多い。
 したがって、われわれは、まず、お手伝いを開始する前提として、最終期日を確認する。そして、なぜ、その日が最終期日となったのかまで確認する。
 その上で、場合によっては最終期日の変更をお願いしたり、変更ができない場合には、その期日までに間に合うように法的な手続や許認可関係、債権者間の調整をいつまでに終わらせなければならないのかといったスケジュールを逆算して立てていく。
 ここで少しでもミスがあると、M&Aの諸手続が、最終期日までに終わらず、M&Aが失敗してしまうことがあるから大変重要な作業である。
 逆に、このスケジュール管理がきちっとできていれば、M&Aの手続は成功する確率が非常に高くなる。


2.許認可の有無

 次に注意しなければならないのは、その企業が持っている許認可の有無である。
 A社が建設業と不動産売買業を行っているとしよう。建設業は許認可事業の代表例である。A社の建設技術には、定評があり建設業だけを捉えてみると、まだまだ再生できる可能性があるとしよう。
 一方、不動産売買業は、膨大な含み損を抱えてメインバンクから、早急な処分を求められているとしよう。このような場合には、通常、A社を建設業と不動産売買業に分割し、建設業のみ継続させて、不動産売買業は、不動産の売却をして、負債をある程度返済した後に破産や特別清算をして処理することが考えられる。
 一般的には、M&Aに伴って不動産を移転する場合には、登録免許税等(合併であれば不動産固定資産評価額の1000分の4、会社分割であれば1000分の8。また、場合によっては不動産取得税が課せられる場合もある)の移転コストがかかるため、できるだけ不動産を移転させないほうがよい。
 しかし、許認可事業は、一般的にM&Aによって引き継がれないケースが多いために、多少、金銭的なコストが増加したとしても、あえて許認可事業を元の会社に残し、コストのかかる不動産売買業を外に出すといった方法も考慮せざるを得ない場合も往々にしてある。


3.金銭コスト管理

 いうまでもなく、結果がまったく同じであるなら、できるだけ金銭コストのかからない、M&Aスキームを提案すべきであろう。
 M&Aは、一般的にその規模が大きくなればなるほど、不動産の筆数が多くなり、不動産移転のコストが大きくなる。
 しかし、案外この不動産移転コストを、計算に入れずにM&Aスキームを立てているケースが非常に多い。登録免許税は、租税特別措置法により修正が加えられているため、めまぐるしく変化しているからだ。

 できれば、登録免許税の専門家である、司法書士に不動産移転コストの見積もりを出してもらってから、スキームの検討をすべきであろう。
 また、M&Aの不動産には、根抵当権や抵当権といった担保権がついていることが多いので、移転コストだけでなく、これらの担保権の変更登記についてもそのコストについて事前確認をとっておくべきである。

 また、担保権の変更は、とても複雑になることがあるから、金融機関も含めて事前に充分な打ち合わせをしておくべきである。

【PDF】にて印刷できます。

===============================

posted by 再生チーム at 09:26| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…企業再編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月27日

月刊【企業再生サポート情報】bO02

◆経営危機には兆しがあった。会計事務所から見えるもの!


企業再生サポート情報-002.jpg

          2010.05.27
経営危機には兆しがあった。会計事務所から見えるもの!

リスク・カウンセラー  細 野 孟 士


 経営危機が起きてから対処する経営者のエネルギー(労力、時間、費用)と、起きる前に対処していた場合では、それは数百倍、数千倍の違いがあります。企業は、日々刻々と移り変わる状態変化に対応することで存続していますので、経営危機が突然発生したのではありません。

 日常業務の流れの中で気になっていた小さな「危機の兆し」を、何も対処をしないまま放置しておいたことで、どうにも打ち消すことができない危機的状況になってしまう事例は少なくありません。
 それには、経営危機の原因を生みやすい「土壌」を認識し、そこに潜んでいる危機の「芽」を見つけて、小さなうちにしっかり対処しておくことが大切なのです。


1.経営危機の原因……『土壌』を認識し、『危機の兆し』(危機の芽)を読む
 
@経営者自身の日常行動や経営幹部の経営に対する意識度
 ◆経営危機の芽……経営者の公私混同、経営者の健康と老齢化、幹部の責任転化行動、違法な業務や取引
A「経理部門(出金)」の財務管理と財務バランス
 ◆経営危機の芽……2期連続の赤字、消費税の滞納、使途不明金の増加、支払手形の発行、経常赤字の連続
B「営業部門(入金)」の営業活動による情報収集と商品の問題点
 ◆経営危機の芽……死蔵品の増加、受取手形の増加、販売先の偏り、取引先の倒産、商品への苦情
C従業員に対する危機管理意識の教育、指揮統率の実戦と連携
 ◆経営危機の芽……トラブルの隠蔽、ホウ・レン・ソウの欠如、社員の規律の乱れ、社員の過剰な組合活動
D安全管理の不備により起きる人災や、災害などへの対処体制
 ◆経営危機の芽……責任者不在、教育訓練の不足、設備機器の老朽化と整備不良、行政からの勧告


2.会計事務所から見える経営危機の『芽』(兆し)とは……


 経営者の一番身近な立場で相談を受けている会計事務所は、顧問先の財務状況を詳らかに知る立場にあるわけですから、財務諸表の作成を通して見える『経営危機の芽(兆し)』をいち早く知ることになります。
 月次の会計処理業務から次のことを発見したら、それが経営危機の芽であることを経営者に対して書面によって伝え、具体的な解決方法のサポートを義務があるのではないでしょうか。

@恩借りの実態……勘定明細Jの借入先に金融機関以外の親族、知人の名前があれば破綻の影あり。
A高利の借入金……社長からの借入金が異常に多いのは、背景に高利の金融からの調達があれば破綻懸念大。
B社長への貸付金…高利の金融や『恩借り』への弁済、儲け話への投資、遊興費、恐喝などは要注意。
C融通手形の確認…商取引以外の10万円、100万円刻みの手形に注意。融通手形の発行は会社を潰す。
D消費税の滞納……2期以上に亘って消費税が滞納している場合は危機状態。預金、売掛金の差押えに注意。
E営業損失…………営業活動に根本的な問題がある。2期以上、連続赤字の場合はジリ貧の可能性大。
F粉飾決算書………『実態B/S』を作成し真実の資産残高を洗い出す。キャッシュフローがまわるかが鍵。


3.破産整理の決断は資金に余裕があるときに……

 「神風よ吹いてくれ!」と念じ続けてきた経営者が“絶体絶命”と観念した時、社員の給料も支払えなかったり“破産申立”の為の費用さえ捻出できないようでは、再起への道を作ることさえ危ぶまれます。
 “破産”しないようにするには「経営危機の芽」を早期に解決しておくことです。万一、手遅れとなった場合でも“善い倒産”の仕方をしておけば、再起へ向けて新たな道が開けることになるでしょう。




【PDF】で印刷できます。

◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
=======================================

posted by 再生チーム at 15:43| Comment(0) | ◆リスク・カウンセラーからの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月27日

月刊【企業再生サポート情報】bO01

◆資金繰りに行き詰まったらどうするか?……



企業再生サポート情報-001.jpg

          2010.04.22
資金繰りに行き詰まったらどうするか?

中小企業診断士 佐々木 文安


 景気は回復傾向にあり、いずれ中小企業にも波及して来ると思われますが、それまで資金繰りが持つかどうか心配されておられる経営者が多いと思います。
 そこで、現時点で資金繰りに行き詰まったら、下記順番で打つべき手を検討し、局面打開を図って行きましょう!!また、自社で出来ない場合や急ぐ場合は、専門家を活用しましょう。


1.資金不足額がいくらになるのか?

 資金不足額が直近の買掛金支払日や支払手形決済日でいくらになるのか、また今後2〜3ヶ月間ではいくら不足するのかを正確に把握することが第一歩です。そして、当月だけでなく2〜3ヶ月間をフルにカバーできる対策を考える必要があります。


2.資金不足への対応策


@売掛金・貸付金・遊休資産の回収・処分による資金捻出
 資金不足になった場合、まず回収・処分できるものがないかをこと細かく検討します。既に取り組み済みで「絶対にない!」と思っていても、視点を180度変えることにより資金捻出が出来ることがあります。(短期貸付金や出資金、長期の未回収売掛金など)

A借入金返済猶予による資金捻出 
 次に借入金返済について、どれぐらい返済猶予があれば資金繰りが回るかを見極めます。見極めが出来たら関係金融機関と交渉を始めますが、メイン銀行がある場合は必ずメイン銀行から交渉を開始します。その場合、「金融円滑化法」の趣旨を踏まえ、「返済猶予依頼書」とともに、「資金繰り表」と「経営改善計画書」を作成して依頼すると、金融機関もすぐに検討に入ってくれるます。

B人件費の圧縮による資金捻出
 人件費は経費の中で大きなウエイトを占めており、また必ずしも合理的水準に設定されているわけではありませんので、聖域とせず見直しを図る必要があります。
 特に、金融機関に借入金返済猶予を依頼する場合、代表取締役などの役員報酬をそのままにしたままで理解を得るのは難しいのが実情です。

C買掛金の支払条件変更による資金捻出
 @〜Bの方法によっても資金不足が解消しない場合は、買掛金について、支払い時期の延長や分割払いの交渉を開始します。
 この種の交渉を行う場合は、親密大口取引先に限定して行い、信用不安の噂が広がることのないよう注意が必要です。


3.自社で対応が出来ない場合や急ぐ場合・・・

 自社で対応が出来ない場合や急ぐ場合は、企業再生支援チームにご相談下さい。企業再生のプロが親身にご支援させていただきます。


【PDF】で印刷できます。

◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
=====================================

posted by 再生チーム at 19:26| Comment(0) | ◆中小企業診断士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月23日

「税理士新聞」4月25日号に掲載されました。

◆「税理士新聞」4月25日号に掲載されました。

ビジネス会計人クラブの中から立ち上げた
「企業再生・整理・再起」支援チームの話題が取り上げられました。

【記事の一部を抜粋】
職業会計人のための研修団体「ビジネス会計人クラブ」(BAC)は
このほど、経営危機に直面している中小零細企業を支援するため、
「企業再生支援チーム」を発足した。
経験豊富なリスクカウンセラーらが会計事務所の顧問先を経営不振による倒産から守る。


税理士新聞.jpg





◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
=====================================

posted by 再生チーム at 17:20| Comment(0) | =事務局の宿直日記= | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月14日

専門家による『企業再生・整理・再起』支援チームがスタート

中小零細企業経営者の皆さん!


「企業再生サポート情報」A3版_ページ_2.jpg

経営危機に突き当たった時は……

絶対に一人だけで悩まないでください。

専門家集団による解決策を導き出しましょう。


【PDF】で印刷できます。

◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
=====================================
posted by 再生チーム at 15:28| Comment(0) | =事務局の宿直日記= | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。