2017年04月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO82

◆著作権による技術的な保護?
企業再生サポート情報-083-1.jpg

▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

2017.04.01



1.特許出願費用は高いから、著作権で保護を?

 随分前になるが、上場企業への技術の売り込み文書を見る機会があった。売り込み文書は、個人から企業まで様々であるが、個人のほぼ9割以上が、知的所有権(著作権)登録による売り込み文書であった。
さらに、驚くべきことに、個人の売り込み文書の文面が、案件の名称以外、ほぼ同じであった。
これは、民間業者が、『特許出願費用は高いから、著作権で保護を・・』とのうたい文句で、個人を騙して、さらに、売り込み文書の講習会を開催しているからであろう。

2.著作権で技術内容の保護ができるか?

 確かに、特許出願費用は、特許事務所に支払う出願書類の作成代は、20〜30万、さらに、特許庁での審査費用も、15万程度はかかる。
 これを個人が負担する場合を考えると、民間業者の『特許出願費用は高いから、著作権で保護を・・』との知的所有権(著作権)登録商法で、騙されてしまうのも納得がいく。

ここで騙される手順を整理すると
(1)民間業者は、技術内容を記載した文書や図面を作成するように指示をする。そして、
(2)民間業者は、作成された文書や図面を、預かり、文化庁への登録を行う。
(3)これにより、作成された文書や図面が著作権として保護されたかのように誤解させる。

騙されるポイントは…
(1)表現された形を保護する著作権では、技術内容を説明した文書は、言語の著作物として、(技術内容そのものではなく)その文章表現が保護される。同様に、技術内容を説明する際に作成した図面は、図表の著作物として、(技術内容そのものではなく)その図表表現が保護される。
 すなわち、内容は全く関係なく、子供が書いた作文でも、子供がチラシの裏紙に書いた絵でも、何らかの表現の形になっているものは、著作物として保護されるにすぎない。内容が保護されるわけでないので、別の人間が同じ技術内容を別の文書・図面に表わした瞬間に、全くのコピー以外は、侵害だとは言えないことになる。
(2)さらに、著作権は、表現物の完成と同時に自動的に発生するので、文化庁への登録は任意である(むしろ、創作年月日を著作物に明記するなどして、文化庁への登録は通常行わない)。
(3)最後は、著作権は、自動的に発生しているのに、文化庁への登録により発生したように思わせ、手続費用や権利の維持費用を搾取する。

3.残念ながら、いちいち騙されていることを教えてくれない

 知的所有権(著作権)登録による売り込み文書に対して、売り込みを受けた会社側は、いちいち騙されていることを、説明したり、教えてはくれない。

 概ね、『弊社では、外部提案は一切受け付けておりません。』の一言で片づけられて終わりである。
気になることがあれば、早めに、弁理士や行政機関(特許庁や各都道府県の知財総合支援窓口)などに相談することが大切であろう。





【PDF】で印刷できます。



◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
posted by 再生チーム at 10:00| Comment(0) | ◆弁理士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO82

▲個人契約の死亡保険金の課税関係
企業再生サポート情報-082p1.jpg
企業再生サポート情報-082p2.jpg

▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

2017.03.01



はじめに
  
 日本は世界的に見ても生命保険大国であり、生命保険契約の加入率を見てみると男女とも約80%以上の人が保険金に加入しています。その中でも、大きなウエートを占めているのが、個人が契約している死亡保険金の契約で、その多くが結婚当初に夫を被保険者及び保険契約者(保険料負担者)、妻を保険金受取人とするケースとされています。
 そこで、本稿では、個人契約の死亡保険金の課税関係の留意点について検討することとします。

1.死亡保険金の課税関係

 死亡保険金における課税関係は、被保険者、保険料負担者及び保険金受取人が誰かによって、次のとおりとされます。

(1) 相続税が課税される場合

 被保険者と保険料負担者が同一人物で、保険金受取人が相続人である場合には、その保険金は相続により、相続人以外の者であるときは遺贈により取得したものとみなされ て相続税の課税対象とされます(相法3@一)。

 なお、相続人が相続によって取得したものとみなされる保険金に限り、法定相続人1人当たり500万円を限度として相続税が非課税財産とされます(相法12@五)。ただし、相続を放棄した者及び相続人以外の者が遺贈により受取った生命保険金等には、この非課税枠がありません。そこで、相続に該当するかどうかの意味において保険金受取人が誰であるかが重要な問題となります。

(2) 贈与税が課税される場合

 被保険者、保険料負担者及び保険金受取人がそれぞれ異なる場合には、その保険金は保険金受取人が保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税の課税対象とされます(相法5@,相基通3−16)。

(3) 所得税が課税される場合

 保険料負担者と保険金受取人が同一人物である場合には、保険金受取人自身が負担した保険料の額に対応する部分の金額は、所得税(一時所得)の課税対象とされます(所令183A,所基通34−4)。

2.保険金受取人

(1) 原則
 保険金受取人とは、保険契約者によって指定された者があれば、その指定受取人とされます。また、指定受取人がいないときは、保険約款等の定めるところにより、次に定める者が保険金受取人とされます(相基通3−11,簡易保険法55@二,団体定期普通保 険約款)。
 @ 被相続人の遺族
 A 被相続人の配偶者、子、父母、祖父母、
   兄弟姉妹の順序(団体定期普通保険約款)

2) 例外
 保険契約上の保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得した場合には、保険証券に記載されている保険金受取人の名義変更の手続きがされなかったことにつき、やむを得ない事情があると認められる場合など現実に保険金を取得した者が、その保険金を取得することにつき相当の理由があると認められるときは、その現実に保険金を取得した者を保険金受取人とすることとされています(相基通3−12)。

 したがって、相当の理由がなく、遺産分割協議により保険契約上の保険金受取人以外の者が保険金を受け取った場合には、保険金受取人がまず保険金の支払いを受け、それを実際の受取人に贈与したものと取り扱われますので留意して下さい。

3.保険料負担者

 保険契約では、保険契約者と保険料負担者が同一人物であるケースが一般的だと思われます。
 ただし、支払能力がない専業主婦又は子供を保険契約者としながら、実際はその保険料を父親が負担しているケースも見受けられます。この場合には、受取保険金のうち過去の実際の保険料の負担に対応する課税関係(前述したT(2)(3)参照)が生じます。

 税務上では、保険料負担者が保険事故発生時の保険金課税における重要な事実認定の問題とされますので、保険契約締結時からの保険料負担者の実際の負担事実を証する預金通帳(自動引き落とし明細)などの書類の保管が必要とされます。

おわりに

 相続人が受ける生命保険金の請求権は、被相続人による生前贈与又は遺贈と異なり、保険契約に基づいて被相続人の死亡により発生する権利であり、保険金受取人に発生とともに帰属するものとされます。

 そこで、日本に多数存在する妻のみを保険金受取人として契約されている死亡保険金の契約については、その生活環境の変化及び相続税の納税資金などを考慮し、子供を保険金受取人に加えるなどの見直しを行う必要があるでしょう。
 この場合の保険金受取人の変更手続は、原則として保険契約者の保険会社に対する通知及び保険証券への承認の裏書により行うことができます。なお、保険事故発生前に保険金受取人の変更を行っても課税関係は生じません







▲Kigyo-saisei▲Corporate recovery team▲Kigyo-saisei▲
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
posted by 再生チーム at 10:00| Comment(0) | ◆税理士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO81

★「健康経営」って、ご存じですか?
企業再生サポート情報-081-02最終.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

2017.02.01



 最近新聞紙上で大きく取り上げられている大手広告会社の電通事件ですが、皆様の会社(あるいは顧問先)ではどのように取り上げていますか。有能な前途ある新入社員が、自殺して、それが労働災害として認定されたことから、東京労働局が調査に入り、過重労働が原因ではないかと、従業員の働かせ方が大きな問題となってきました。現在時間外労働については、どの会社でも何の問題もないという会社はないと思います。   
 こうした中で『健康経営』ということが言われ始めましたが、健康経営とは一体どんなことを言うのでしょうか。

1.健康経営とはなに?

  健康経営とは、従業員等(従業員・家族・役員を含みます)の健康管理を経営的な視点で考えて、戦略的に実践する経営手法のこととされています。
  従業員等の健康増進や労働衛生等への取り組みに係る支出を「コスト」と考えるのではなく、「人の健康への投資」と前向きにとらえることとされています。結果的には、従業員等が健康で生き生きと長く病気もせずに働くことが、企業の生産性を上げ、企業の持続的な成長に繋がるのではないかとの考え方です。

2.健康経営が注目されることになった背景
 @生産年齢人口の減少による労働力不足
  a.生産年齢人口(15歳〜64歳)は、1995年の8,717万人がピークで、
   2015年には7,708万人となり、2,050年代には推計で5,000万人を
   下回るとされています。
  b.65歳以上の高年齢者の割合が増加していく。
  c.今後は、売り手市場になり、人財確保が困難になる。

 A生活習慣病とメンタルヘルス
  平成25年度(2013年)国民医療費の概況によると、医科診療費29兆円の
  3分の2以上が生活習慣病関連で、働く世代は生活習慣病発症リスクが
  高い集団で、退職後は重症化リスクが上昇するとされています。
  一方、メンタルヘルス不調に関する労災の請求件数と決定件数が
  増加傾向にあります。

 B従業員の高齢化
  労働力人口の平均年齢が、1970年は38.4歳、2015年は45.8歳となり、
  加齢により健康度は低下。
  また、年代による通院率は、30歳代は20.4%、40歳代は27.3%、
  50歳代は41.9%、60歳代は57.7%。
  加齢により通院する者の割合が急速に増加している(プレゼンティーズムの増加)。
    *アブセンティーズムとは、病気で欠勤、休業している状態をいいます。
    *プレゼンティーズムとは、何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、
   業務遂行能力や生産性が低下している状態をいいます(具体的には、
   首の不調や肩のこり、腰痛、頭痛、うつ症状、不眠、喘息、関節炎、
   胃腸障害、不安感、花粉症などのアレルギー症状など)。
   このアブセンティーズムによる労働損失より、プレゼンティーズムによる労働損失
  の方が約2倍といいます。企業が売り上げを1%あげるために営業活動や広告費
  を増やすよりも、プレゼンティーズム対策で生産性をたかめる方が利益に貢献
  できるのではないかとの考え方です。

3.具体的にはどうすればいい?できることから始めましょう!

@健康課題の把握の為に、定期健診及び2次検診の受診率を100%を目指す。
 保健指導実施率の向上。
A健康増進対策として、禁煙運動、ラジオ体操の勧め、階段歩きの勧め、
 食生活の改善等。
B過重労働対策として、労働時間の適正把握、休日・時間外労働の削減、
 医師による面接指導等。
Cメンタルヘルス対策として、メンタルヘルス教育特に管理職に対して、休職制度
 及び復職支援の充実ストレスチェッ クの実施及び実施率の向上等。
D感染症対策として、手洗いの励行、インルエンザ予防接種の奨励等

 以上は健康管理のほんの一部ですが、個人としての問題でなく、企業全体として取り組みことによって、企業が活性化し、結果的には企業の生産性が向上するのではないでしょうか。
 特に中小企業に対して 『健康優良企業』になれば、法人や従業員に対しても金利で優遇するという金融機関が出て参りました。  
健康経営の詳しいことは、「健康経営アドバイザー」(初級)の川端まで。






★Kigyo-saisei★Corporate recovery team★Kigyo-saisei★
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
posted by 再生チーム at 10:00| Comment(0) | ◆社会保険労務士からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月04日

月刊・企業再生サポート情報 bO80

◆未払い金 立替払い制度の活用を
企業再生サポート情報-080p1.jpg
企業再生サポート情報-080p2.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

2017.01.01


1.未払賃金立替払制度の内容

 未払賃金立替払制度は、企業の倒産によって賃金や退職金が支払われないまま退職した労働者に、国が事業主に代わって未払賃金の8割を立替払いする制度である。(但し、退職時の年令に応じた上限額がある。)

 この制度は、「賃金の支払の確保に関する法律(昭和51年法律第34号)に基づく制度であり、実施機関は「独立行政法人労働者健康安全機構」である。

2.支給実績

 平成23年度の支給実績は、企業数3682件、支給者数4万2637名、
 立替払額約200億円となっている。

3.要件

(1)事業主に関する要件 

  @ 労災保険の適用事業の事業主かつ1年以上事業の実施
  A 倒産したこと
   ア 法律上の倒産
    破産手続開始の決定(破産法)、
    特別清算開始の命令(会社法)、
    再生手続開始の決定(民事再生法)、
    更正手続開始の決定(会社更生法)

   イ 事実上の倒産(中小企業事業主のみ)
    事業活動停止、再開見込みなし、
    賃金支払能力なし(労働基準監督署長の認定)

(2)労働者に関する要件
  破産手続開始等の申立て(事実上の倒産の認定申請)の6ヵ月前
      の日から2年前に退職

4.立替払の額

  未払賃金総額の8割

    但し、下記のとおり限度がある。

=記=
080-表.jpg

5.支払の根拠が争われる事例

(1)請求者は労働者か
   ア 労働者であるか賃金台帳、出勤簿等客観的資料が
     乏しく認定が困難な場合がある。
   イ 経営者の親族について、勤務実績が乏しい事例がある。
   ウ 建設手間請け従事者について、仕事の依頼や
     業務従事指示等に対する諾否の自由がある事例がある。
     (経営者の指揮監督を受けているとみられない場合、
      労働者性が希薄である。)

(2)退職金請求の根拠はあるか
  労働契約、労働協約、就業規則(退職金規程等付属規程を含む)により、
  退職金の支払いが労働条件となっていないのに、退職金の立替払請求が
  なされる場合がある。

結語

 税理士の皆様方は、企業の倒産時において労働者の賃金が未払いのままとなっている状況を認識することがあろうかと存じます。

 このような場合、賃金未払のまま退職せざるを得なかった労働者の生活を守るため事業主及び労働者に対し、未払賃金の立替払制度の活用を提言されることを望みます。



【PDF】で印刷できます。



◆Kigyo-saisei◆Corporate recovery team◆Kigyo-saisei◆
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
posted by 再生チーム at 10:00| Comment(0) | ◆法律家からの情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月01日

月刊・企業再生サポート情報 bO79

▲債権回収会社(サービサー)を利用した企業再生
079-30%.jpg
▲PDFでご覧になる方はココをクリックしてください。

2016.12.01


1.サービサーと企業再生

 サービサーといえば,支払の履行を遅滞したり,倒産の局面で登場する債権回収のプレーヤーのイメージが強いのではないでしょうか。確かにサービサーの事業内容の主たる事業は債権回収であることには変わりはない。

 しかし,昨今のサービサーの事業は様変わりしている。特に企業再生に力を入れているサービサーは多い。ただ,金融機関側の依頼で企業再生を担うのか,債務者側の依頼で企業再生を担うのかの違いはある。

 サービサーの担う企業再生は一般的には前者であって,後者は弁護士等の専門家が担っている。では,後者の企業再生をサービサーが行うことができないのか。答えは,法的整理以外であれば「できる。」である。

2.サービサーに依頼するメリット


 サービサーに企業再生を依頼するメリットは何か。サービサーには特殊な権能がある。
 それは,債権譲渡を受けた債権について債権放棄(債務免除)ができるところである(債権譲渡を行った金融機関側も損金処理ができる。)。

 例えば,金融円滑化法によってリスケジュールした債務について今後元金を含め返済しようと計画しても困難な状況にある企業があったとします(金融機関から運転資金等の今後の融資を継続するのであれば,元金を含め返済を再開して欲しいと求められている。)。

 この場合,再度のリスケジュールを金融機関と交渉することと並行して企業再生をも検討しなくてはいけない。
 リスケジュールを承認してくれなく,元金の返済ができないとすればたちまち資金繰りが立ち行かなくなるからである。

 こういった局面でサービサーと共に金融機関に働きかけてサービサーへ債権を譲渡してもらうのである。債権譲渡が完了した後は,サービサーと条件付債務承認契約等(いつまでにいくら返せばいくら免除する契約)を締結して,元金のみを返済していけばよい。実にシンプルな事業再生である。

 もちろん,運転資金などの問題もあるが,債権者となったサービサーは企業を倒産させてしまうと利益が無くなるので払えないような支払方法(事業が継続できないような)を強制することにはならない。
 企業の事業再生の成功はサービサーにとっても利益となり運命共同体となるのである。

3.BAC企業再生チームでは・・・・

 幸いBAC企業再生チームの会員には,株式会社一富士債権回収取締役の安達一彦弁護士,そして株式会社YUTORI債権回収・取締役の私・原内直哉が在籍しており,サービサーを活用した事業再生については相談しやすい環境が整っている。

 顧問先企業でこれはと思う企業があればBAC企業再生チームへお気軽に相談いただければよりよい解決方法が選択できるかもしれない。企業再生の選択肢のひとつに加えてみてはどうだろうか。
以上




▲Kigyo-saisei▲Corporate recovery team▲Kigyo-saisei▲
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
続きを読む
posted by 再生チーム at 10:00| Comment(0) | ◆司法書士からの情報…債務整理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする